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松本潤が法廷に立ち続ける姿を観ていたい! 『99.9』深山という特別なキャラクター

2018年03月20日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

 松本潤主演のTBS系「日曜劇場」枠の連続ドラマ『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』が3月18日に最終回を迎えた。2016年4月期放送のSEASON Iに引き続き、視聴率は好調。最終回の平均視聴率は21.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、前クールの『陸王』に続いての20%超えを果たした。


参考:『99.9』最終話、真犯人を明かさなかった理由とは? 現実にも通ずる“司法の深い闇”を考える


 松本演じる深山大翔が作る料理や、寒いオヤジギャグがSNSで話題になるなど、全話通して小ネタが満載。最終話ではプロレスラーの棚橋弘至とタイガーマスク、元プロ野球選手の三浦大輔がゲスト出演するほか、プロレス好きの女性弁護士・立花彩乃役で、女優の榮倉奈々がSEASON I以来再登場するなど、最終回はファンを喜ばせる仕掛けが詰まった2時間スペシャルとなった。


 起訴された容疑者の99.9%が有罪になるという世界一の有罪率を誇る司法の現実。逆転不可能な状況の中で残された0.1%の可能性にこだわって事実を追求しようとする刑事専門弁護士たちを描く本作。


 最終回は深山たちの元に、8年前に妻を殺害後、放火したとして「建造物放火及び殺人罪」で死刑判決を受けた死刑囚・久世貴弘(小林隆)の再審請求の依頼が届くところから始まった。依頼人は息子の亮平(中島裕翔)で、両親は仲がよく、父が母を殺すわけがないと断言する。


 しかし、死刑または無期懲役の判決後に再審請求が通り、無罪を勝ち取ったのは戦後70年でわずか9件しかない、極めて困難な事例で、“開かずの扉”とも称される。


 深山(松本潤)と尾崎舞子(木村文乃)は接見で、当時の警察が久世の息子・亮平の存在を利用し、揺さぶりをかけ、無理やり自白させたという事実を知る。過去の裁判記録を基に捜査を続ける中である矛盾に気付き、再審請求を行う。しかし、笑福亭鶴瓶演じる裁判官の川上は、深山たちに無理難題を押し付け、再審請求を通そうとしない……という展開だった。


 司法の信頼を守ることを最優先する裁判官の川上(笑福亭鶴瓶)との対立、父親が無実の罪を被り苦しんだ過去などシリアスな要素を含みつつも、重苦しさを感じさせることなく飄々と事実に向き合う型破りな深山という特別なキャラクターを演じ切った松本潤。天然なのか、計算なのか、その複雑な表情は独特の緊張をはらむもので、彼の新たな魅力を発見した人も多いのではないだろうか。


「99.9%有罪でもそこに事実があるとは限らない。0.1%に事実が隠されてるかもしれない」


「司法への信頼って何ですか? 司法って、一体誰のためにあると思ってるんですか? あなたは、自分の大義のために、誤った判決に目を瞑ってきた。でも、あなたの大事な人が、誤った判決によって罪を被ることになっても、本当に同じことができますか? 裁判官、検察、弁護士、この3者が、本来あるべき形から崩れてしまったとき、被告人は圧倒的な不条理にさらされてしまう。だからこそ、その不条理から被告人を守るために、僕たち弁護士は、法廷に立つんです。たった一つしかない事実を追い求めて。これからも、僕はあなたたちの前に立ち続けますよ」


 これらは深山のセリフだが、オヤジギャグを言い放ったり、独りごちるかと思えば、鋭い一言で周囲の人を納得させたりもする。彼は、冤罪という不条理から被告人を守るという信念を貫き、たとえ0.1%という微かな希望であっても最後まで諦めずに法廷に立ち続ける。日曜の夜、深山たちが難事件に挑む姿に多くの人が勇気づけられていたことが、SNSの反響を見ていても分かる。


 早くも続編、映画化への期待の声があがっている。さらにパワーアップした深山たちにまた会えそうな気がする。(池沢奈々見)