トップへ

スティーヴン・スピルバーグ監督、セクハラ騒動に「被害を訴える時代到来は実に良いこと」

2018年03月20日 05:03  Techinsight Japan

Techinsight Japan

「なかなか良い方向に動き始めた」とスピルバーグ監督
映画『ジョーズ』『未知との遭遇』『E.T.』などでメガホンをとった世界中の映画ファンに敬愛されるスティーヴン・スピルバーグ監督(71)。そのスピルバーグ監督が昨年から“ハリウッドの大スキャンダル”として世間を騒がせている「セクハラ問題」に言及。自身の考えと今後への期待を明かした。

数年どころではなく、何十年ものあいだ女優、俳優、そして時には子役達にまで容赦なく及んでいたセクハラ被害。それらについて「もう黙ってはいない」と多くの役者らが団結して被害の実情や加害者の名を明かし始め、陰湿で破廉恥極まりないエンタメ業界の裏側も「確かに変わりつつある」と言われている。

そんな中、ハリウッド映画界の重鎮スティーヴン・スピルバーグ監督がロンドンにて『Legend Of Our Lifetime』なる賞を獲得、そこでこのように思いを語った。

「映画、ジェンダー(性)、人種、そして自分の声をあげること…そういう事柄に関し、実に豊かで様々なことが起きた年でした。」
「(セクシャルハラスメント撲滅を訴える運動である)『Time’s Up』。これにも僕は感謝いたします。」
「僕と妻ケイト(女優ケイト・キャプショー)は、まさにこのような動きが始まった時点から協力してきました。私達が気付く以上に、こういう問題は重要なのです。」
「10年ほど経過すれば、過去を振り返り、いかに重大な分岐点をともに経験したのかを思い知るでしょう。2017年から2018年というこの時期に起きていること…これはまさに途方もないことなのですから。」

「抗議できずサポートも得られなかった女性達。(被害を受けたと)名乗り出る勇気を振り絞ることができなかった女性達。そういう女性達が、必要な支持を得られる時代が到来しつつあるのです。もう二度と、以前のような状態に戻らぬよう願っています。」

「こんな女優を大物にした」「あの女優とも寝た」などとビッグネームをちらつかせ、成功を夢見る女優の卵達に手を出す、もしくは強姦という最悪な行為に出るなどしていた最低プロデューサー。10代の女優をレイプした監督。嫌がる共演者にセクハラを続けた俳優―これら悪行も、被害者の勇気ある告白で明るみに出た「被害のごく一部」にすぎないはずだ。

そんな中、良識あふれる監督や役者も多くいることは映画界に憧れ努力してきた人々にとって、どれほど大きな励みになっていることか。スキャンダル収束の後は、再び多くの子ども達、そして役者を夢見る人々が不安なく目指す場にハリウッドが生まれ変わっていると信じたい。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)