経済的な理由で結婚に踏み切れない人は多い。最新の「出生動向基本調査」では、独身男性の43.3%、独身女性の41.9%が、結婚の障壁に「結婚資金」と回答している。
こうした状況を受け、各都道府県や市町村では少子化対策の一環も兼ねて、新しく結婚した世帯の引っ越し費用や住宅取得費用を補助する制度「結婚新生活支援事業」を設けている。
ただ、制度を実施している自治体は限られていて、実施自治体の中でも、対象になる結婚日や世帯年収、年齢、制度利用申請の締切日に違いがある。年度末になり、申請を締め切る自治体も増えているため、利用を考えている人は注意が必要だ。
世帯年収340万円未満の世帯が主な対象 東京都は実施なし
神奈川県では秦野市、湯河原町、愛川町、清川村の4市町村で行っている。湯河原町は昨年4月1日から今年3月31日までに婚姻届を出した人が対象で、制度の利用申請期間もこれと同じ期間だ。年収340万円未満(奨学金の年間返済額は除く)の世帯に、上限24万円を補助する。
一方、愛川町では昨年4月1日から今年3月15日までに結婚した人が対象。利用申請の締切は3月30日で、申請時点で夫婦ともに40歳未満であることなどの条件がある。補助上限額は、年収340万円未満の世帯が24万円、340万円以上600万円未満の世帯が12万円となっている。
千葉県は10市町村で実施しているが、佐倉市は既に申請期間が終了している。埼玉県は3市町村で実施。残念ながら東京都はすべての市区町村で事業を実施していない。
「結婚新生活支援事業」を行う自治体には、内閣府が補助金を出している。1世帯が受け取る補助金のうち、最大で18万円は内閣府からの補助金で賄われていることになる。
内閣府の担当者によると、自治体への補助は2018年度も継続したい意向だが、「予算審議が始まっていないため、必ずやれるかどうかは分からない」状態だという。ツイッターでは、各世帯が受けられる補助額上限が30万円に引き上げられるという噂も飛び交っているが、「金額変更に関しても申し上げられない」と話していた。
ツイッターでは「こういう政策積極的に案内されないからな」「もっと早く知りたかった」など、周知の徹底を望む声が多く上がっている。