オフシーズンテストが終了し、あとは3月23~25日に開幕するF1オーストラリアGPを待つのみとなった。順調にテスト項目を消化したチームもあればトラブルで走れなかったチームもあり、マシンの仕上がり具合が気になるところ。全6回に分けて各チームの開幕戦の展望を紹介。最終回となる今回は、中団以下のチームにスポットを当てる。
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メルセデス、フェラーリ、レッドブルの3チームが上位3強を形成しそうな2018年のF1。その他チームのなかで新車合同テストの期間中、平均的にパフォーマンスレベルが高かったと言えるのがルノーだ。
ワークスチームとしての復帰3年目。いよいよチームとしての組織体制も整い、ニコ・ヒュルケンベルグは新車『R.S.18』を「1年前と較べると、格段の進化だ」と評価している。
ただ、計8日間のテスト最終日には、ギヤボックストラブルが出た。チームは新車デザインについて「かなり攻めたものだ」とコメント。テスト会場となったバルセロナの冬のコンディションならともかく、気温が高くなると信頼性に不安があることを暗にのぞかせた。
ハースは同期間中、特に後半4日間の日程で、積極的に新車『VF-18』のパフォーマンスランを繰り返した。ピレリ新開発のもっとも軟らかいドライタイヤコンパウンド『ハイパーソフト』のテスト比率は、あるいは全10チームのなかでもっとも高い数値だったか。
チームは2018年の目標としてパワーユニットとギヤボックスの供給を受ける他、機械的パーツも数多く共有するフェラーリとのラップ差を「0.5秒にしたい」と公言した。だがテスト時点の新車は、その目標からは程遠いレベル。開幕に向けた新規開発の投入はあるか。
マクラーレンとトロロッソは日によっての上下はあるものの、この2チームとはそうかけ離れたポジションではない。期間中タイムシートの下位常連となっていたのは残り3チーム、フォース・インディア、ウイリアムズ、ザウバーということになる。
このうち過去2年連続でコンストラクターズ選手権の4位を維持するフォース・インディアは、王者メルセデス同様のテスト戦略を採ったようだ。
一発のタイムは出さなかったものの、ドライバーたちはいずれも新車『VJM11』への好感触を口にする。硬めのコンパウンドをメインにロングランを繰り返し、新車のレースセットアップの習熟に、ほぼテストスケジュールの大半を充てた。このチームについては、問題なくシーズンを迎えるとみて良さそうだ。
一方で昨季選手権5位のウイリアムズは、不安材料を抱えたままで開幕に臨む。新車『FW41』はフェラーリ前年型の初期開発に関わった空力トップが、移籍後に初のデザインを手がけたもので、サイドポンツーンに酷似の処理がみられる。
だが、この空力思想の変化にいまのところチームが対応できておらず、コーナー進入時の挙動に問題ありとのことだ。コンピュータシミュレーションによるセットアップ最適化で、どこまでの解決が図れるか。まさに開幕の寸前まで、懸命の作業が行なわれることだろう。
チームのタイトルスポンサーにアルファロメオを迎え話題を集めるザウバーだが、その効果が表れるのはまだ先とみられる。新車『C37』は開発資金の流入があったようで、ノーズセクションの処理などを一新してきた。
ただ現状、際立ったパフォーマンス向上ということではなく、開幕以降の煮詰めにどれだけ進化の余地があるか。テールエンダー返上には、まだ多くの課題を残す。