2018年03月19日 10:02 弁護士ドットコム
会社の設備の利用について正社員と派遣社員を区別することはの違法性について解説した弁護士ドットコムの記事(『会社のウォーターサーバー「正社員以外禁止」…派遣社員と差をつけることは違法?』https://www.bengo4.com/c_5/n_7009/)に、読者から多くのコメントが寄せられています。
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この記事の中で、戸田哲弁護士は「今回のケースのように、派遣社員の方だけに食堂利用等が認められないとしても、現時点では待遇格差そのものが違法となるわけではない」と指摘しています。
しかし戸田弁護士は続けて、労働者派遣法では「正社員等が利用する給食施設や休憩室等の福利厚生施設について、派遣社員にも利用の機会を与えるように配慮するように求めている」ことをあげ、会社に対して配慮を求めることはできるとも付け加えました。
コメント欄には、派遣社員として働く方々や、派遣社員と一緒に働く正社員の方々からも意見が寄せられています。「正社員と正社員以外の待遇を変えるべきでない」と考える方がいる一方で、仕方がないと見る方、派遣元企業の問題だと考える方まで、実体験に基づく指摘の数々に唸らされました。
以下、読者から寄せられたコメントを紹介します。
まずは、反対する方々の意見から。
「わざわざ区別する意味がよくわからないのだけど、なにか合理的な理由がありますか?」(40代男性)
「意地悪としか思えないですね。仲間外れですね」(20代女性)
「こんな事されたら、正社員も気まずいわ。一緒に働いてんのに」(40代女性)
ある20代男性は、派遣社員と働いた経験をもとに次のように指摘しています。
「派遣や非正規もイベント参加できるし、福利厚生も全部正社員と同じ扱いで利用できる会社を見たことあるけど、やっぱちゃんと積極的に出てくるし、士気が他と比べて高いよね。コスト減も重要だろうけど、会社は是非とも『パフォーマンス向上』にも目を向けるべきだと思う」
この男性の会社では「全部同じ扱い」とのことですが、逆に、正社員と派遣社員を明確に区別する会社で働いている人からも経験談が寄せられました。
派遣社員の男性(40代)の場合、通勤手当が支給されていないそうです。さらに「旅費規程も改悪の方向に。日当や食事手当てが出なくなるようです」と苦しい状況を告白し、労働者派遣法の改正を強く求めていました。
他にも、「社員と派遣で食堂利用料が違うのはどうなんだろう」(30代男性)という声も。「定食A、社員価格350円、外部価格530円、とかになっているんだよね。(中略)200名の派遣が払う飯代で儲けるおかげで社員価格を抑えられてる可能性もある訳で、なんだかなぁ」。
一方で、直接雇用である正社員を優遇するのは当然だという意見も寄せられていました。
「正社員は直接雇用だから、優遇と見られても仕方ない。それが普通」(40代男性)
「時給換算したら、正社員より派遣社員へ多く払ってる現象も起きる。会社からしたら、直接雇用してる正社員に還元したいって思うのは当然」(40代男性)
「給与から福利厚生費が天引きされてない就労形態の社員が利用できないのは合理的理由があると思うけどな」(30代男性)
中には、「派遣社員がウォーターサーバーなどの設備や社員食堂の利用を制限されることは妥当である」(40代男性)としながらも、「派遣が食堂・休憩室・自販機・エレベーターの利用するのを禁止してるのは、おかしいとしか言い様がない」と手厳しい声も。
なお、こうした「区別」のある企業で働いている人に対して、「派遣会社が派遣先会社と調整する所でしょ」(50代男性)と、派遣元企業の姿勢を問う人もいました。
「いろんな会社に派遣されたけど派遣先の社員と食事は別の事も良くありましたよ? 派遣先の食堂使えないときは派遣元が弁当用意してくれていましたね」(40代男性)
「派遣が優遇されてるってことに異議を唱えてる方がコメントされてますが、そう言うところって派遣会社と派遣社員がコミュニケーションが取れてるから、時給が上がったり設備の使用も自由に出来るのでは? 私が働いてる勤務先はウォーターサーバーも食堂もロッカーも使えます」(40代男性)
同じ職場で働く人なのに、ある人は利用できるのに、できない人もいる。それが雇用形態で設定された「区別」になっていると、納得できないと感じる人がいるのは当然ではないでしょうか。皆さんは、どのように考えますか?
(弁護士ドットコムニュース)