子どもも母親も平日の「睡眠負債」を休日に返上しようとする傾向にあるようだ。通販サイトを運営する「ショップジャパン」は3月16日、全国の小中学生の母親800人を対象に実施した「子どもの睡眠の実態」についての調査結果を発表した。
母親の平日の平均睡眠時間は「6時間以内」が22.6%で最も多く、「7時間以内」が合計で9割に上る。休日では「7時間以内」の割合は51.8%にまで減少している。
子どもでも、平日には30.1%に留まっている「8時間以上」の割合が、休日には52.0%に上昇している。母親も子どもも平日の睡眠不足を休日に補おうとしているようだ。
医師は「眠れる社会を作っていかなければならない」と警鐘
休日の平均睡眠時間が平日よりも2時間以上長い子どもを持つ母親にその理由を聞いたところ、「子どもが平日あまり寝てなさそうでかわいそうだから」と「子どもが起きないから」がいずれも51.4%だった。「自分も休日なので眠りたいから」も45.7%に上った。
また子どもが睡眠不足だと感じている母親は全体で39.8%だった。子どもが大きくなるにつれて割合が高くなり、中学2年生では過半数の51.5%に上っている。
中学生が睡眠不足になる理由は上から順に「宿題や課題に追われ、寝るのが遅いため」が40.3%、「ゲームをしている」が34.6%、「インターネットの動画を見ている」が34.0%だった。小学生では「テレビを夜遅くまで見ている」が最も多く33.9%だった。
子どもの睡眠不足のために親がしていることは「早く寝るように/起きるように注意する」が70.4%に上っている。中学生の睡眠不足は「宿題や課題」が原因だったにも関わらず、「宿題の進め具合など、子どものスケジュールを管理する」という対策をしている親は15.8%にすぎなかった。
昌仁醫修会・瀬川記念小児神経学クリニックの星野恭子理事長は、この調査について「(子どもが)慢性的な睡眠不足に陥っている」と指摘している。
「今の子どもたちは、忙しいですね。宿題や塾や部活や習い事が遅くまでありますし、テレビやゲームや漫画やSNSなどやることが多すぎます。しかし全部はできません。子どもたちが自分で『今日やること、やらないことを決める力』を育てることが大切だと思います」
また子どもが早く寝るためには、保護者が早く寝ることも必要だといい、「眠れる社会を作っていかなければならない」と話している。