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V6 三宅健と風間俊介、なぜパラリンピック特集番組に? 歩み寄りを継続する姿勢から考える

2018年03月16日 10:12  リアルサウンド

リアルサウンド

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 V6の三宅健と風間俊介が、NHKの平昌パラリンピック特集番組に出演している。もともと野球チームから生まれたジャニーズはスポーツとの相性がいい。これまでも様々なスポーツの祭典を、ジャニーズメンバーが盛り上げてきた。そんな中、三宅と風間がNHKでパラリンピックを伝えるのは、リオデジャネイロ大会に続いて2回目。ふたりがNHKという公共放送でパラリンピックを伝え続ける姿から感じるのは、歩み寄りを継続する大切さだ。


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■繋がりたいと想い続ける三宅健
 三宅は、2005年に聴覚障がいを持つファンから手話で話しかけられたのに、何も返せなかったことをきっかけに手話を習い始めた。一時は挫折したものの、地域の講習会などに通ったという三宅は『みんなの手話』(NHK Eテレ)のナビゲーターとしても活躍。そのスキルが認められる形でリオデジャネイロパラリンピックのユニバーサル放送を担当した。現在放送中の『みんなで応援!ピョンチャン2018』(NHK総合)でも、一つひとつの言葉を選んで語りかける。その穏やかな雰囲気は、落ち着いてスポーツを見つめる楽しみ方を教えてくれるようだ。チャーミングなパーソナルイメージを持つ三宅が、グッと知的な顔を見せるのも新鮮である。きっとこんなふうに真面目にコツコツと学び続けてきたのだろう。ある一人のファンとコミュニケーションを取れなかったというきっかけを素通りすることなく、自分にできることは何かと模索する。その愛情深さ、そして続けていく強さ。アイドルがパラリンピックを伝えることで多くの人がパラスポーツを知る。だが、そのきっかけをもらった先に、私たちはどれだけ関心を持ち続けられるだろうか。そもそも普段から様々な人と繋がろうと、何かを学び続けることができているだろうか、と三宅の努力から考えさせられるのだ。


■異なることがカッコいいと言える風間俊介
 風間は、2014年からハートネットTV『ブレイクスルー』に出演し、様々な“生きづらさ”を感じている人たちとふれあってきた。リオデジャネイロパラリンピックを目前に控えた2015年に開催された“ドーハ障害者陸上世界選手権”でも、NHKのナビゲーターに就任している。実際の競技場を見て、選手一人ひとりの異なる姿が、輝く個性になっていると語った(引用:風間俊介さん「ひとりひとり異なることが”輝いている個性”と、競技場で感じました」/NHK)。風間の視点は驚くほどフラットだ。「足がない種目だったら全員足がないし、それが全員ブワッ! と集まって当たり前のように歩いてくると、俺は“カッコいいな”って」。健常者だからどう、障がい者だからこう、といった刷り込みがなく、目の前の状態をそのまま個性として受け取り、唯一無二の存在として“かっこいい”と言える素直さ。『「ピョンチャンパラリンピック」パラリンピックタイム』(NHK総合)の現地リポーターとして選手たちに行なうインタビューも、まっすぐで偏りがなく清々しい。誰かのようになるのではなく、自分ができることを突き詰めていくこと。そのスタンスがあるからこそ、風間はジャニーズにおける独自のキャリアを築けているのかもしれない。


 2020年には、東京オリンピック・パラリンピックがやってくる。平昌パラリンピックは3月18日に閉会式を迎えるが、パラスポーツを応援する姿勢に期限はない。三宅のように人と繋がることに敏感になり、風間のようにフラットに捉える素直さを持って、2020年を迎えたいものだ。(文=佐藤結衣)