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「服に着られるのではなく着こなす」84歳のファッションリーダー草笛光子が語るファッション観

2018年03月16日 08:22  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

草笛光子 Image by: 撮影/天日恵美子
女優の草笛光子による新刊「草笛光子のクローゼット」が3月16日の今日、発売された。自身のクローゼットに収められた私物を公開しており、若者に劣らず色鮮やかな服を着こなす姿が発売前から話題を集めている。"84歳のファッションリーダー"という呼び声も高い草笛にファッション観を聞いた。

 「草笛光子のクローゼット」では、草笛を特集し話題を呼んだバラエティ番組「朝だ!生です旅サラダ」のオフショットをはじめ、さまざまなスタイリングを披露する「私の好きな服」、アイテム別で私物を紹介する「私のクローゼット」、シューズやバッグなどの小物にフォーカスした「着こなしのスパイスは小物」などのコンテンツを掲載。「グレーヘアにする理由」ではウィッグやつけ毛を使ったヘアアレンジも公開する。
 草笛がファッションにまつわる本を刊行するのは今回が初めて。着用したアイテムのほとんどが私物で、スタイリストの清水けい子がスタイリングを担当した。なかには何十年も前に購入したアイテムもあるという。"シャンソンの女王"と呼ばれた越路吹雪に勧められて購入したという思い出のコートや、かつてステージで使用した「ニナ リッチ(NINA RICCI)」のシルクドレスはラップスカートとストールにリメイクするなど、アイテムにまつわるエピソードも綴られている。
 ファッションを楽しむようになったのはグレーヘアになってから。「若かった頃は利口に見せたくて、落ち着いた茶色やモノトーンなど地味な色を選ぶことが多かった。人間として背伸びしていた時期だったのかもしれない」。役作りのために坊主になった後に白髪が生えてからは、染めることはせず"ありのままの姿"でいることを決断。そのマインドが服選びにも反映され、鮮やかな色の服も楽しむようになった。同書では若い頃から好きだという水玉模様のドレスも着こなしているほか、「ユニクロ(UNIQLO)」といったプチプラの服を愛用する一面も見せている。
 年齢に縛られず、好きな服を着る。着慣れていない服でも「"着られる"のではなく"着こなしてやる"という気持ちでいる。それが私のモットー」とファッションの楽しみ方を語る。本業が女優であることから「(同書が)皆さんにどのように受け止めてもらえるか戦々恐々としている」と謙遜するが、草笛は「ファッションが好き。スタイリストよりも(スタイリングが)もっと上手になりたい」と84歳になった今も向上心は尽きない。
 同書の編集を担当した主婦と生活社の石田由美氏は「草笛さんの人柄と相まって、年齢関係なくファッションを楽しんでいる姿にパワーをもらった。この気持ちを多くの方に共感してもらいたい」と話している。
■草笛光子のクローゼット(主婦と生活社刊):Amazonページ