3月8~11日に行われたWRC世界ラリー選手権第3戦メキシコ。この大会で3位表彰台を獲得したシトロエンはスポット起用したセバスチャン・ローブ(シトロエンC3 WRC)の走りを絶賛した。
ラリー・メキシコにはローブとレギュラードライバーのクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)の2台体制で挑んだシトロエン。なかでも2015年以来の参戦となったローブは序盤から優勝争いを演じると、最終的にはパンクで総合5位に終わったが一時は総合首位に立つなど王者の貫禄をみせつけた。
チームメイトでレギュラードライバーのミークもローブと同じく序盤から上位を走行。最終的に総合3位を獲得し、自身にとって今季初、チームに2戦連続の表彰台をもたらしている。
チームの指揮を執るピエール・ブダール代表は「クリスが表彰台を獲得したことで、彼はドライバーズランキング4位に浮上した。また(今季)2回目の表彰台を獲得したことで我々が進んでいる方向が正しいことが証明された」と結果を評価する。
「2戦連続表彰台により、チームランキングも2位に1点差まで詰め寄っている。もちろん競技中は2台揃ってトップ3圏内を走行し、競技3日目にはトップにも立っていたことを考えれば、もっといい結果を望んでいたが、これがモータースポーツだ」
またブダールは「彼の才能は知っていたが、本当に驚かされた」と事前に最低限の走り込みしかできなかった今年44歳のローブを絶賛している。
■「あのペースなら表彰台は間違いなかったが、タイヤへの知識が不足していた」
「彼ら(ローブとコドライバーのダニエル・エレナ)はこれまで走ったことのないステージでトップタイムを記録し、競技半ばにはトップに立ってみせたんだ。あのペースで走っていれば表彰台は間違いなかっただろう」
「WRC9連覇という実力の片鱗を見せつけられたよ。ただ、彼らには今のWRCで使用されているタイヤへの知識が不足していて、その代償をパンクという形で支払うことになってしまった。ただ、これは時間が解決する問題だと思っているし(次にローブが参戦する第4戦)ツール・ド・コルスでの表彰台獲得に期待したい」
最後にブダールは過酷な環境でパフォーマンスを発揮したチームクルーとマシンのパフォーマンスについても賛辞を送っている。
「暑さと(高い標高による)空気が薄い状況のなか、クルーは完璧な仕事をこなし全22SS中8SSでのステージ優勝に貢献した。マシンの性能だけでは成し遂げられないことだ」
「またマシンには一切、技術的トラブルが起きなかった。単に運がよかっただけでなく、これまでの献身的な努力が実を結んだんだ。そして我々のC3 WRCが継続して進化していることの証でもあるよ」
チームが挑むシリーズ第4戦はフランス・コルシカ島を舞台に行われるツール・ド・コルス。昨年はエンジントラブルでリタイアするまでミークが総合首位を走行するなど、好走をみせた地だ。
また、第4戦にはローブもスポット参戦。母国フランスの観衆を前に総合優勝を目指すことになる。