歌川たいじのコミックエッセイ『母さんがどんなに僕を嫌いでも』が実写映画化され、今秋に公開される。
2013年に刊行された『母さんがどんなに僕を嫌いでも』は、ブロガー、漫画家、小説家として活動する歌川たいじが自身の母親との関係を綴った作品。映画では社会人のタイジが友人との出会いをきっかけに自身の壮絶な過去を振り返りながら、何年間も関係を絶っていた母親と向き合い、母の愛を取り戻そうとする様を描く。
主人公のタイジ役を太賀、タイジの母役を吉田羊が演じる。さらにタイジを支える友人キミツ役に森崎ウィン、大将役に白石隼也、カナ役に秋月三佳、幼少期のタイジ役に小山春朋、父役に斉藤陽一郎がキャスティング。子供のころからタイジの心の支えとなり、彼の人生に転機をもたらす婆ちゃん役を木野花が演じる。監督は『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』『泣き虫ピエロの結婚式』の御法川修。
主演を務める太賀は「歌川さんの実人生を追体験するのは勇気がいる事でしたが、タイジという役の人間的な愛おしさと、たくさんの困難を乗り越えて来たという事実が、何よりも僕を突き動かし、演じるうえでの原動力になりました。心の底から嬉しかったことや、心の底から悲しかったこと、主人公が感じてきた事が何一つとして溢れ落ちないよう、全力で演じました」とコメント。
吉田羊は「脚本を読んでも原作を読んでも、この『母さん』に共感できない、なのに気付けばボロボロ泣いていました。子の躰の底から湧いて尽きない母への愛の叫びが、太賀さんの苦しいほどに繊細なお芝居と私演じる未熟な母を通して皆様の心に届いたら幸いです」と語っている。
また御法川監督は「原作を初めて手にし、心を震わせた日から五年。こうして映画化を実現できた感慨で胸がいっぱいです」、原作者の歌川は「試写を拝見して、自分の過去が、大勢の人の力で翼を広げ、映画になって自分のもとから飛び立ったのだと感じました。『飛び立ったのならば、できるだけ遠くまで飛んでいってほしい。そして、届くべきところにちゃんと届いてほしい』そんな気持ちで、いまはいっぱいです」とのコメントを寄せている。
■太賀のコメント
歌川さんの実人生を追体験するのは勇気がいる事でしたが、タイジという役の人間的な愛おしさと、たくさんの困難を乗り越えて来たという事実が、何よりも僕を突き動かし、演じるうえでの原動力になりました。心の底から嬉しかったことや、心の底から悲しかったこと、主人公が感じてきた事が何一つとして溢れ落ちないよう、全力で演じました。歌川さんの半生を描いたこの作品が、見てくださる方の喜びになれば幸いです。
■吉田羊のコメント
脚本を読んでも原作を読んでも、この「母さん」に共感できない、なのに気付けばボロボロ泣いていました。
子の躰の底から湧いて尽きない母への愛の叫びが、太賀さんの苦しいほどに繊細なお芝居と私演じる未熟な母を通して皆様の心に届いたら幸いです。
「母親像」は人それぞれ。いろんな感想があるでしょうが、観終わったあと「母さんがどんなに僕を嫌いでも」の後に続くのは、愛の言葉だといいな。
■歌川たいじのコメント
他人におおっぴらに話せなかった過去。それを思いきって本にしてみたところ、「この本に救われました」と声を寄せてくださる方が大勢いらっしゃいました。各方面から大きな反響をいただきました。でも、まだ無名な私の本を「ぜひ映画化したい」と仰ってくださったプロデューサー、御法川監督をはじめスタッフ・キャストの皆様には感謝しかありません。
主役が太賀さんに決まり、母役を吉田羊さん、ばあちゃん役を木野花さん、他の役についてもこれ以上望むものは何もないと思うほどの役者さんが参加してくださり、私が自分の半生を通して世の中に伝えたかったことを表現してくださいました。
試写を拝見して、自分の過去が、大勢の人の力で翼を広げ、映画になって自分のもとから飛び立ったのだと感じました。「飛び立ったのならば、できるだけ遠くまで飛んでいってほしい。そして、届くべきところにちゃんと届いてほしい」そんな気持ちで、いまはいっぱいです。
■御法川修監督のコメント
原作を初めて手にし、心を震わせた日から五年。こうして映画化を実現できた感慨で胸がいっぱいです。
本作は、『母をたずねて三千里』の昔から脈々と続く《母と子の物語》です。そして、たったひと言「お母さんが大好きです」と告げるために身を焦がす《ラブストーリー》でもあります。
深く重い題材とは裏腹に、抱きしめたくなるほど愛くるしい人々で満ち溢れた作品に仕上がっています。
「まるで私のために作られた映画だ」と、切実に感じてくださる人がひとりでも多く生まれることを願っています。