WRC世界ラリー選手権第3戦メキシコは3月11日、最終日デイ4のSS20~22が行われ、前日のデイ3で総合首位に立ったセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が優勝。2018年シーズン2勝目を飾った。トヨタ勢の最上位はヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)の総合7位となった。
■Mスポーツ・フォード
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/総合1位
「今日の結果は言葉にならないほどうれしいよ! この勝利は僕らのWRC参戦10周年を祝う最高のものだ。2008年のジュニアWRC優勝に始まり、それ以来本当にたくさんの素晴らしいことを経験してきたが、そのなかでも今回の優勝は格別なものになった」
「今週末、僕らは本当にすべてをささげた。ジュリアン(・イングラシア/コドライバー)はの仕事は完璧だったし、チームも同様に強力だった。この勝利が素晴らしいのはもちろんだけど、すべてのパフォーマンスがすごくよかったんだ。僕らのクルマは昨年型からとても大きく改善がなされていて、これは残りのシーズンでも大きなプラスになるだろう」
「週末はずっと、ほぼ限界まで攻めていていたが、走行順が早いときはベストを尽くそうとするけれどタイムは後続車たちよりもずっと遅れていた」
「そのことにはいつも不満に思っているけれど、前に進まなければならないし、あきらめてはいけない。それが僕たちがしたことだ。3日目、僕らの走行順が少しマシになって、プッシュし続けたら午後には首位になることができた。最後まで諦めなかったことが誇らしい結果につながっているんだ」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)/総合12位
「僕らにとって(メキシコ)は難しいラリーだった。だけど、2回目のループを通して改善を見せることもできた」
「ストリート・ステージでもスピードがあったのは、大きなプラスだと思う。こういったタイプのステージは僕の弱点だったから僕らは改善のためにかなり努力したんだ。だから、その点はよかったと思っているよ」
「もちろん、グラベルでもっとタイムを縮められたらよかっただろう。それと、金曜日のミスがなければもっとよかった。だけど、僕らはたくさんのことを学べたし、改善できるところも分かっている」
「(今より速くなるには)コースを外れないようにしながらスロットルをもう少し早く開ける必要がある。些細なことだけれど、コーナーごとに0.1秒失っていたら、ラリーの終わるころには大きなタイムロスとなっているはずだからね」
「まずは今回のラリーを詳しく分析しなければならない。そのあとで次のラウンドとなるアルゼンチンに集中したいと思う。アルゼンチンは2016年にレッキをしたことがあるから、あそこのSSについては多少知っている。それでも、WRカーで走るのは初めてだから、いつもより一層準備する必要があるんだ」
■ヒュンダイ・モータースポーツ
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合4位
「僕たちにとって簡単なラリーではなかった。ここで必要だった最適なペースやパフォーマンスを見いだすことができていなかったんだ」
「土曜の夕方、サービスでマシンにいくつか変更を施したら、今日の午前中の最終ステージではより走りやすくなったよ。順位を上げることは到底できないから、ただ着実に整った走行をしようとしていた。もっと激しくアタックできた場所ももちろんあったけれど、総合4位で終えたことで重要なポイントを獲得できた」
「チームとして、マニュファクチャラーズランキングでのリードを広げることができたし、僕はドライバーズランキングで3位に上がった。ポジティブな結果を得ることができたね」
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合6位
「ラリー最終日の午前中は、ドライバーズ選手権のためにできる限り多くのポイントを獲得すると決めて取り組んだ。パワーステージでは持てるものをすべて出したつもりだ」
「とても厳しい週末だったけれど、(最終パワーステージで)3ポイントを追加できてうれしいよ。出走順が毎日1番という状況は、理想からはかけ離れていたけれど、それも競技のうちだからね。タイムの面では明らかに不利だったが、ああしたコンディションに取り組むという有益な経験ができた」
「週末の間、いくつか問題があったけれど、総合6位に入ってチャンピオンシップにプレッシャーをかけ続けるのは重要なことだ。チームの皆に感謝している。僕たちは決して諦めない。コルシカ(第4戦フランス)では違った展開になるだろう」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合2位
「楽しめるけど、競争が激しいタフな週末の後で、表彰台を獲得することができてとてもうれしいよ。ここでは過去のシーズンで、良いペースを発揮できていたから、今週末はトップ3を争うことができるだろうと楽観的だったんだ」
「全体的に単純なことではなかった。パワーステージでさえ、右のリヤタイヤがパンクするという恐ろしい瞬間があった。コースの中央に石が落ちていて、簡単にトラブルが起こり得た」
「だから最後まで速度を落として慎重に進んだ。表彰台フィニッシュはとても重要だ。この本当にトリッキーなグラベルのステージで、自分たちの出走順を最大限に活用したよ」
「チームの努力も大きかった。マニュファクチャラーズ選手権でリードを広げることができて特にうれしい。カルロス(・デル・バリオ/コドライバー)とチームの全員に、この結果への感謝を伝えたい」
■シトロエン・レーシング
●クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)/総合3位
「間違いなくこの週末には得るものがあった。今年最初の表彰台を獲得したことをはじめ、チャンピオンシップに向けた十分なポイントも稼ぐことができた。でも特にチームのことを思うと、(自分に対して)失望を感じずにはいられない」
「僕にはここメキシコで優勝するのに必要なペース、マシン、出走順のすべてが揃っていたんだ。それなのに役目を果たすことができなかった」
「ばかげたミスをあまりにも多く犯してしまった。このレベルで許されることではない。コルシカから自分のレース運びを整える必要がある。昨年コルシカでは僕たちには高い競争力があったからね」
●セバスチャン・ローブ(シトロエンC3 WRC)/総合5位
「WRCに戻って来て、テストはうまくいったと感じていた。でも自分のレベルについて確実なことはなにも分からなかったし、誰もがコンマ1秒を争っているということを肝に命じていた」
「遅れをとっていることに気づくのに、それほど時間はかからないものだ。だからペースを出せたことはうれしい驚きだったね! パンクのせいで、他のドライバーと自分の実力を最後まで適切に比べることができなかったことには、少し不満が残っている」
「ともかく、とても素晴らしい週末だったし、それがこのカムバックの最初の目標だったんだ。慣れなければいけないことがまだたくさんあるけれど、次はコルシカで良い結果を出していきたいと願っているよ」
■トヨタ
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/総合7位
「今朝はとてもフィーリングが良く、クルマに対しても非常に良い感触があった。最初のステージでは限界まで攻めベストタイムを記録することができ、2本目のステージも調子はとても良かったよ」
「そうしたなかでも最後のパワーステージのためにタイヤの状態を少し気にしながら走っていた。そして最終SSでは全開でアタックした。自分の出走順を考えると、2位というタイムには満足している」
「今週末はとても大変でしたが、デイ2でリタイアをしたにも関わらず再出走し、8ポイントを獲得できたことは良かったと思うよ。全体としてクルマに競争力はあったと思うので、今後は自分自身のパフォーマンスをさらに高めていくつもりだ」
●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)/総合14位
「パワーステージでは自分たちにできることをすべてやった。失うものは何もなかったから、マキシマムポイントである5ポイントを狙って走ったんだ」
「クルマのパフォーマンスはとても良く、十分な自信を感じていた。これ以上は無理と思えるほどプッシュしたよ! 優勝を狙っていたから、もちろん総合成績には満足していない。しかし、シーズンはまだ長く、クルマのパフォーマンス自体は良かったので、今後も戦い続けるだけだ」
「今回はヤリスWRCで出場する初めてのグラベルラリーだったが、多くのことを学び、そして多くの改善点を発見することができたと思う」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/総合11位
「今日はパワーステージに意識を集中していたから最初の2本のステージではペースノートをチェックし、タイヤの摩耗を抑えるため、敢えてアタックをしなかったんだ」
「自分にとって今回のハイライトはデイ3のレオン市街地SSだね。ラリーの事前テストではゴーカート場でもテストをして、いくつか新たな発見があった。そして、昨晩の市街地SSではセカンドベストタイムを記録することができたんだ」
「以前はあのようなタイプのSSでタイムをロスしていたので、テストの効果はあったと思う。今回得た経験とデータをもとにさらに改善を進め、来年(の結果)につなげていきたい」