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山崎賢人と菅田将暉の友情が光る! 『トドメの接吻』最終回で描かれた“究極の愛”

2018年03月12日 13:52  リアルサウンド

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 『トドメの接吻』(日本テレビ系)前回の第9話で尊氏(新田真剣佑)の凶刃に倒れてしまった宰子(門脇麦)。並木グループの社長のイスへと目前まで迫る旺太郎(山崎賢人)だったが、宰子を失ったことで旺太郎が本当の“愛”に気付いてしまう。


「僕が本当に幸せにしたいのは宰子なんだ」


 3月11日に放送された第10話で、美尊(新木優子)にそう告げた旺太郎は、もうひとりのタイムリープできる“死の接吻”の持ち主・春海(菅田将暉)の元へと向かっていた。


参考:山崎賢人、菅田将暉、岡田将生……なぜ若手俳優は“クズ”を演じるのか?


 春海が過去に生死を彷徨った経験から、タイムリープできるようになったのだと知る旺太郎。しかしキスして時間が戻るのは3カ月前だという。旺太郎が“100億”を手に入れるために行動を開始し始めたばかりの頃だ。さらに春海は「タイムリープしても自分の過ちは2度と取り戻せない。後悔の無限ループなんだ」と告げる。


 だが旺太郎は「俺の本当の幸せは、宰子と巡り会うことだった」と、過去へと戻る。大晦日の日、並木家でのパーティの場面だ。ここで彼は、美尊に「自分の足で歩いていける」と諭し、尊氏には「(想いは)伝えなきゃ届かない」と今までになく熱く迫る。演じる山崎の鬼気迫る表情と言葉は、この直後の彼らに大きな影響を与えてしまうのも納得のいくものであった。


 そして宰子との出会いにして別れの場面。今までの自分を自戒しつつ、強く優しく語りかける旺太郎のその姿に胸が苦しい。ボロボロと涙をこぼす宰子とは対照的に、涙を堪えて最後まで語りきる彼の姿が印象的であった。


 そんな涙なくして見られない展開の連続ではあったが、笑いもしっかり忘れない。旺太郎と春海の濃厚なキスシーンは抱腹絶倒、コミカルな掛け合いが魅力的であった。春海の尖った唇を前に一度はためらう旺太郎だが、意を決しての積極的なキス。その前が美尊とのシリアスな場面だっただけにパンチも大きく、一瞬で涙も吹き飛んだ。視聴者を飽きさせない、ドラマ展開の“陰と陽”のバランスがじつに見事である。


 さらにラストでは宰子の働くナイトデリバリーで、旺太郎からの「社会にもまれろ」との言葉を受けてあたふたと働く長谷部の姿も。本作メインキャストの中で最年少の佐野がこんな思わぬところで愛嬌を見せ、湿っぽい展開を明るくした。間もなく公開となる『ちはやふる -結び-』で『ちはやふる』シリーズに初登場する彼だが、あちらも新田をはじめとした若者揃い。その中でどんな働きをするのか期待大だ。


 本作のような、これだけの若手の豪華俳優陣による協奏には、なかなかお目にかかることはできないだろう。次々とヒット作を手がける、いずみ吉紘が脚本を担当したが、これまでに彼が手がけた作品で、『デスノート』(2015・日本テレビ系)で山崎賢人が、『帝一の國』(2017)では菅田将暉と志尊淳が出演。そして人気アニメの実写化ドラマ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2015・フジテレビ系)でも志尊淳が、『ROOKIES』(2008・TBS系)やそれに続く劇場版ぶりに平川雄一朗監督とタッグを組んだ『仰げば尊し』(2016・TBS)では新田真剣佑が、それぞれ出演していた。キャリアを着実に積み上げ、レベルアップした彼らの魅力をあますことなく伝えることに本作『トドメの接吻』は成功したと言えるだろう。また次なるステージでの彼らの協奏を期待したい。


※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記


(折田侑駿)