ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) WRC世界ラリー選手権第3戦メキシコ最終日は3月11日、SS20~22が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合7位、僚友エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合11位、前日までトップ3圏内につけていたものの、ターボトラブルに見舞われ再出走となったエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合14位で4日間のラリーを完走した。
ラリー期間中、3台全車がデイリタイアを喫したトヨタ勢は、貴重なチャンピオンシップポイントを獲得するためラトバラとラッピが3日目に、タナクが4日目にそれぞれ再出走を果たしている。
そんななか迎えたデイ4はSS20~22の合計3本のグラベル(未舗装路)コースで争われたが、いずれのステージでもトヨタ勢が躍進。SS20で総合8番手へのポジショアップを狙うラトバラがトップタイムをマークして順位を入れ替えたのに端を発し、続くSS21ではタナクがステージ優勝、ラトバラが2番手につけた。
さらに、ステージタイム上位5名にボーナスポイントが与えられる最終パワーステージでは、入賞が難しいタナクが前戦スウェーデンでセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が採ったステージへの到着時間を遅らせる“奇策”を講じてスタート順を遅らせ、見事全体ベストタイムをマーク。5ポイントを持ち帰ることに成功したほか、正規のスタートを切ったラトバラも2番手に入り4ポイントを獲得した。
自身初のラリー・メキシコ参戦となったラッピはSS20、SS21でタイヤをセーブし、パワーステージでのトップ5入りを目指したが、5番手に1.6秒届かず6番手となっている。
「非常に困難な週末となったが、ポジティブな形でラリーを締めくくることができたと思う」と語るのはTOYOTA GAZOO Racing WRTのトミ・マキネン代表。
「今日、すべてのSSでベストタイムを記録できたのは我々にとって素晴らしいボーナスといえる。オット(・タナク)がパワーステージを制し、貴重なボーナスポイントを獲得できたことに満足している。昨晩、チームは彼のクルマに起こった問題を解決し、今日は本来のパフォーマンスを引き出すことができるようになったんだ」
「また、ヤリ-マティ(・ラトバラ)が良いタイムを記録し、運転を楽しんでいる姿を見ることができたのも良かったと思う。もちろん、ラリー序盤に技術的な問題が起こってしまったことは残念だが、わずかながらでもポイントを獲得できたことで皆が明るい気持ちになり、次のイベントに良いカタチで入れると考えている」
狙い通りにパワーステージを制したタナクは「失うものは何もなかったので、最大ポイントの5点を狙って走った。クルマのパフォーマンスはとても良く、これ以上は無理と思えるほどプッシュしたんだ」と戦いを振り返った。
また、3本のSSすべてを2番手以上でフィニッシュしたラトバラは「今朝はとてもフィーリングが良く、クルマに対しても非常に良い感触を掴んでいた」とコメント。
最終パワーステージについては「自分の出走順を考えると、2位というタイムには満足している」と語っている。
初参戦のラリー・メキシコで多くの経験を得たラッピは「(事前のテストや本番を含めて)今回得た経験とデータをもとにさらに改善を進め、来年につなげげたい」と豊富を語った。
WRC次戦第4戦は、フランスのコルシカ島を舞台に4月5~8日にかけて開催されるツール・ド・コルス。コーナー数が多いことから“1万コーナーのラリー”とも呼ばれる同イベントは今シーズン2回目のターマック(舗装路)ラリーとして行われる。