WRC世界ラリー選手権第3戦メキシコは3月11日、最終日デイ4のSS20~22が行われ、前日のデイ3で総合首位に立ったセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が優勝。2018年シーズン2勝目を飾った。トヨタ勢の最上位はヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)の総合7番手となった。
かつてシトロエンで共闘したセバスチャン・ローブとオジエの新旧王者が総合首位を走り、最終的にディフェンディングチャンピオンのオジエが後続に30秒以上のリードを築いた競技3日目を終え、ラリー・メキシコは最終日のデイ4を迎えた。
ライバルのトラブルやミスを尻目に安定したペースを刻んで首位に立った王者は、競技最終日もリスクとタイムロスを最小限に抑える走りを披露していく。
一方、前日、自らのミスで首位との差を約3秒から35.9秒まで広げられたミークは、4日目最初のステージとなったSS20でも石畳の左コーナーでワイドに膨らみ、コース右サイドに横転してしまうアクシデントを起こす。
周囲の観客の助けを借りてなんとかコースに戻ったミークだったが、このアクシデントによって約40秒を失い、総合3番手につけるダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)に逆転を許してしまった。
そんな後続の混乱を波乱をよそにオジエはSS20を2番手タイムで終えると、続くSS21は4番手、最終パワーステージのSS22を5番手で完走し開幕戦モンテカルロ以来となる2018年シーズン2勝目を飾った。この結果、シリーズランキングではオジエが第2戦スウェーデンを制したティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)を逆転し、ふたたびランキングトップに立っている。
「(ラリー・メキシコは)僕にとって特別な場所だ! 4度の勝利と表彰台に7回上がっているこの場所が大好きだよ」とWRC.comに語ったオジエ。
「今週末は出走順が2番目となり難しいラリーになるのは分かっていたが、決して諦めることはなかった。この雰囲気は素晴らしいね」
ミークの自滅によって労せず総合2番手を得たソルド、3番手に落ちたミークもその後はポジションキープに徹しそれぞれポディウムフィニッシュ。
各車のギャップが大きく広がった中段グループでは前日から順位は変わらず。アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合4位となり、ローブ、ヌービルがこれに続いた。
2年連続でメキシコのコンディションに苦しめられているトヨタ勢は、総合9番手スタートとなったラトバラがSS20でトップタイムをマークして総合8番手にポジションアップを果たすと、その後の2本のSSでも2番手タイムを記録するなど速さを見せた。
また、ターボトラブルによってデイ3の途中でデイリタイアとなったタナクも再出走を果たし、SS21でトップタイムをマーク。スタート順を後ろにずらすため、到着時間を遅らせて挑んだ最終パワーステージでは、狙い通りファステストを記録して5ポイントを獲得している。
WRC次戦第4戦フランス(ツール・ド・コルス)は4月5~8日、フランスのコルシカ島で開催されるターマックラリーだ。