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『40/41』から『5/6』へ。DOCOMO TEAM DANDELION RACINGのカーナンバー変更の理由

2018年03月12日 09:21  AUTOSPORT web

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野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)のマシンにつけられたカーナンバー5
3月11日、鈴鹿サーキットモータースポーツファン感謝デーのなかで行われた『オープニングラップ』で2018年シーズンへのスタートが切られた全日本スーパーフォーミュラ選手権。そのトップチームのひとつであるDOCOMO TEAM DANDELION RACINGは、今季からカーナンバーを『5』と『6』に変更したが、チームの歴史と関係をひもとくと理由を理解することができる。

 兵庫県に本拠を置くDOCOMO TEAM DANDELION RACINGは、長年携帯電話大手のNTTドコモがパートナーとしてチームを支えており、これまでも高速でレースを戦うマシンとの通信実験をともに行ったりと、スポンサー以上の関係性で結ばれている。2017年にはNTTデータやNTTとともに、LTEネットワークを活用して、ドライバーの生体情報を計測する共同実証実験も開始した。

 そんなDOCOMO TEAM DANDELION RACINGは、これまでF3やJTCC全日本ツーリングカー選手権などで戦い、1999年からは当時のフォーミュラ・ニッポンに参戦した。JTCC~Fニッポン時代の2002年まではカーナンバーは『68』を使用し、それ以降はチャンピオン獲得年の翌年に『1』と『2』を使用した以外は、ずべて『40』と『41』を使っている。

 これらのカーナンバーは、いずれもNTTドコモと関係しているものだ。『68』は“ムーバ”=『mova』、『40』は“フォーマ”=『FOMA』と、いずれもNTTドコモが展開してきた携帯電話ネットワークとの語呂合わせから由来している。

 そして、2017年12月に行われたスーパーフォーミュラのエンジンメーカー/ルーキードライバーテストから、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGはマシンに『>>5G』のロゴを入れ始めた。これは、NTTドコモが2020年のサービス提供開始をめざして研究開発に取り組んでいる第5世代移動通信システム『5G』のロゴだ。つまり、今季から使用を開始した『5』と『6』は、5Gに由来しているというわけだ。

「以前から『5』と『6』でやりたいね、という希望はあったんです」と語るのは、チームの村岡潔監督。

 ただ、近年でこそスーパーフォーミュラで『5』と『6』を使用するチームはいなかったが、フォーミュラ・ニッポン時代の2008年まで『5』と『6』といえば、数多くのトップドライバーが所属したTeam 5ZIGENが浮かんでくる。そこで、村岡監督は大阪府にある5ZIGENの木下正治社長に、カーナンバー使用を相談しにいったという。

「もともと『5』はスピードスター・レーシングが使っていて、その後は5ZIGENさんが使っていたんです。そこで、5ZIGENの木下さんに相談したところ、最近は(フォーミュラを)しばらくお休みされていることもあり、同じ関西のチームは我々だけということもあって、快く承諾してくださったんです」と村岡監督。

「そこでNTTドコモさんに相談したところ、『それはいいですね』となったわけですね」

 今季は光る速さをもつ野尻智紀が『5』を、そしてヨーロッパから戻りその実力が期待される松下信治が『6』をつける。次世代のカーナンバーとともに、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGはどんな活躍をみせてくれるだろうか。