3月11日、鈴鹿サーキットモータースポーツファン感謝デーのなかで、星野一義と中嶋悟による『永遠のライバル対決』最終ラウンドの第2戦が行われた。勝敗はまさかの「もう一回!」の声で延長戦が行われ、これを制した中嶋悟が対決のチャンピオンベルトを手中に収めた。
この星野一義vs中嶋悟の『永遠のライバル対決』は、2012年の鈴鹿サーキット50周年ファン感謝デーで最初に行われたもの。現役時代にはF2やGC等で激しい火花を散らしたふたりが決着をつけよう……と、モータースポーツファン感謝デーを中心にこれまで14回開催されてきたものだ。
この対決も、この2018年モータースポーツファン感謝デーが最後の戦い。10日に行われたレースでは、“お約束”のフライングを決めた星野が勝利を収め、中嶋の6勝、星野の5勝となっていた。11日のレースで星野が勝利を収めれば、お互い勝ち星が並びまるく収まる……はずだった。
お互いに上着を着ず、レーシングスーツ姿のままトークショーをこなす気合の入りようで、迎えたレース。前日同様、ピエール北川アナウンサーからきつくレギュレーションが言い渡されるも、迎えたスタートではやはり星野がわずかにフライングを決めて(?)しまう。
これで中嶋が追う展開となり、何度もインをうかがうものの、接戦の末に星野がトップチェッカー。お互い6勝で並び、これでライバル対決は引き分けになる……はずだった。喜びのドーナツターンを決めた星野がマシンを下り「チャンピオンベルト持ってきて!」と要求するも(実際は勝利同数なのでチャンピオンではない)、中嶋はなかなかコクピットを下りない。
ピエール北川アナウンサーが話を聞きに行くと、中嶋は「面白くない」「もう1回だ!」「勝つまでやる」とナットクいかない様子。すると星野も「やってやろうじゃないの」と、まさかの延長戦が展開されることになった。急遽マシンがグリッドに戻され、ふたたびコクピットに戻る星野。中嶋のもとには息子の一貴が、星野のもとにはTEAM IMPULの現役ドライバーたちが激励に訪れるなど、最終決戦の様相を呈してきた。
迎えたスタートでは、今度はまさかの展開が。中嶋が星野のお株を奪うかのように、フライングを決めたのだ。リヤをスライドさせながら猛然とダッシュした中嶋だが、今度は1コーナーでまさかのコースアウト。1周目は星野がリードする。
しかし、2周目に中嶋が現役時代をほうふつとさせるオーバーテイクを披露し、レースをリード。星野も差を詰めたが、最後は中嶋がトップチェッカー。永遠のライバル対決は、中嶋の7勝、星野の6勝で幕を閉じた。
最後は中嶋がチャンピオンベルトを巻き、ジャン・アレジから記念品を受け取りふたりとも笑顔。星野も「レースはやっぱり楽しい」と語った。ただ、これが最後の対決と銘打たれていながら、「オレたちの戦いは終わらない」とふたたびの対決を匂わせていた。