FIA国際自動車連盟は、3月9日に開催したワールド・モータースポーツ・カウンシルの発表として、現行のF3に置き換わるかたちで2019年にスタートさせる『FIAインターナショナルF3(FIA F3)』の新たな概要を発表した。プロモーターとして、F1グループを任命した。
これまでの現行F3に代わって、新たにFIAの主導のもと19年からの開催が計画されているFIA F3。今回発表された内容によれば、新生F3はF1と併催されるかたちで行われ、単一サプライヤーによるシャシー、エンジン、タイヤによるワンメイクで争われる。サプライヤーを務めるメーカーについては、今後FIAとF1グループが協議の上、決定される。
FIAは、このFIA F3をF3カテゴリーにおける安全性の指針とすることを目的に、シャシーの耐衝撃性やコクピットまわりの安全性が強化されるほか、ドライバー保護システム『ハロ』の採用、クラッシュ時にドライバーの下肢を保護するフロント・アンチ・イントルージョン・パネルも導入される。
また、コストコントロールもFIA F3では重要な要素とされており、共通コンポーネントの使用やテストの制限、レースに帯同するスタッフや使用できる電子デバイス、センサーなどに制限が課される。シリーズは最大30台までエントリーを受けつけ、年間9~10イベントを開催。1大会2レース制で開催されるため、年間レース数は18~20戦となる。
この新シリーズ誕生により、FIAが管轄するシングルシーターはF1を頂点に、FIA F2(旧GP2)、FIA F3、地域F3、FIA-F4、カートというステップアップのピラミッドが完成することになる。FIAはF1、F2、F3をひとつのイベントのなかで開催することで、ファンの増加を期待すると同時に、参戦する若手ドライバーがF1への参戦意欲を高めることにもつながるとしている。
FIAシングルシーター・コミッションのステファノ・ドメニカリ代表は「FIAは近年、シングルシーターのピラミッドを入念に見直しており、新しいFIA F3はシングルシーターの頂点と同じプラットホームを採用するという重要な目標を達成した」とのコメントを発表している。
「これはファンや競技参加者にとっては大きな利益になる。またFIA公認の地域シリーズなどに参戦しているドライバーにとっては、世界選手権への入り口となり、F1ファンは将来スターになり得る選手の活躍を追うことができるからだ」
「長年、F3は(シングルシーターの)頂点へ挑む才能を育むという重要な役割を担ってきた。今回、F1グループがプロモーターを務めることで、ますます繁栄していくだろう」