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『Coco』の邦題、なぜ『リメンバー・ミー』に? 監督が明かす、歴代ピクサー作品との違い

2018年03月11日 10:02  リアルサウンド

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 3月16日公開の映画『リメンバー・ミー』の邦題に込められたテーマを、リー・アンクリッチ監督が明かした。


 本作は、カラフルな“死者の国”に迷い込んだミュージシャンを夢見る少年ミゲルと、彼が出会ったガイコツのヘクターとの冒険の模様を描いたファンタジー・アドベンチャー。11月に全米で公開され、アニメーション界のアカデミー賞と言われるアニー賞で11部門獲得し賞レースを席巻。第90回アカデミー賞では、長編アニメーション賞と主題歌賞の2部門でオスカーを受賞した。


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 本作は、原題の『Coco』ではなく、『リメンバー・ミー』という邦題で公開される。“家族のつながり”を描いた本作の原題『Coco』は、主人公ミゲルのお婆ちゃんの名前“ココ”からきている。一方、邦題の『リメンバー・ミー』は、劇中で伝説の歌手デラクルスが歌う、ミゲルが大好きな楽曲「リメンバー・ミー」から採用された。作中の楽曲が邦題に決まった経緯には、同曲がミゲルの家族の秘密のカギを握る重要な曲だという理由があるという。


 『トイ・ストーリー3』も手掛けたアンクリッチ監督は、「日本でのタイトルは『リメンバー・ミー』。なぜなら、それは作品の重要なテーマだからだよ」とコメント。「本作は、すでに亡くなって、もう僕たちのそばにいない人たちを“覚えている”がすごく重要だということを描いているんだ。家族を覚えておくということだけではなくて、亡くなったご先祖の話を後の世代へ伝えていくことを通して、彼らの思い出を生かし続けるというこの作品のテーマが、日本のタイトルに込められているよ」と、日本のタイトルを公認していることを明かしている。


 本作は、メキシコの“死者の日”を元に、“家族のつながり”を描いている。アンクリッチ監督は「もしご先祖に会う機会があったらどうだろうか? もし人生で会う機会がなかったひいひいおじいちゃんに会えるとしたら? 彼らは自分と何か似ているところはあるだろうか? と本作で掘り下げてみるのにとても興味深いと思ったんだ」と、誰もが共感できる普遍的なテーマに行き着いたと語る。「ご先祖様を敬うことの大切さは普遍的なテーマだ。誰もが共感できると思う。それに映画がまとまってくるにつれてピクサーで作られたどの作品とも違うものだと気付いた。ユーモアに溢れているけれど、可笑しくて、エモーショナルで、観客を泣かせる映画になっている。このスト―リーやテーマはそういった可能性があると感じたんだよ」と日本公開への意気込みを語った。


(リアルサウンド編集部)