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2019年導入のスーパーフォーミュラ新シャシー・SF19は7月頃にシェイクダウンへ

2018年03月10日 14:01  AUTOSPORT web

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ダラーラが現在制作を進めているスーパーフォーミュラSF19の風洞モデル
全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)は、鈴鹿サーキットモータースポーツファン感謝デーのなかで行われた2018年開催概要発表会のなかで、2019年に導入される予定の新型シャシー、SF19の開発状況について発表した。

 現在SF14シャシーが用いられているスーパーフォーミュラのワンメイクシャシーだが、JRPでは2019年に向けて、新型シャシーであるSF19の導入を目指しイタリアのダラーラと開発を進めている。この日、鈴鹿ファン感謝デーのなかで行われた記者会見では、技術顧問を務めている白井裕前JRP社長から、開発状況について説明があった。

 このSF19は、SF14と同様にクイック&ライトという基本コンセプトは踏襲。ダラーラでは現在、最初のモノコックが製造中で、スーパーフォーミュラの主な特徴である重量コントロールを中心に開発が行われているという。ただ、2016年のF1の安全基準に則るために、重量が増えてしまう傾向にあった。

 ただ、この重量増については、ダラーラで「革新的な素材、革新的な製造テクノロジー」を使用することで対応。結果的にSF19は「これまで同様、同レベルのエンジンパワーを有するシングルシーターカーのなかで世界的に最も軽量な車両のひとつ」になっているという。

 また、車両としてはSF14と比較してホイールベースが短縮されており、これまで以上の敏捷性と反応性を発揮。また、白井技術顧問によれば、「オーバーテイクをどうするのか」という点でも検討が重ねられ、SF14よりもシャシー下面でダウンフォースを稼ぐことを重視されているという。

 さらに、ポッドウイング等での整流や、リヤウイング翼端板の造形で調整がされることで、リヤに流れる空気の流れを整え、「実車が楽しみですが、(前走車の)リヤにつきやすいクルマにしています」としている。

 一方、今季からF1では『ハロ』と呼ばれるドライバー頭部保護装置が取り付けられ、F2等でも採用。またインディカーではウインドウスクリーンがテストされるなど、ドライバーのヘルメットを保護する対策が世界的な潮流となっているが、今回JRPから公開された風洞モデルの画像には、ハロ等の装置は装着されていない。

 この点について白井技術顧問は「検討はしている」というが、「本当に効果があるのかどうかがまだ分からず、また事故時のドライバーの脱出が本当にうまくいくのかもまだ分からない」として、現状としては「なし」の方向だという。「様子を見ようと思っています」と白井技術顧問。

 今後、SF19は「5月くらいにはモデルカーができあがり、7月くらいにはシェイクダウンをするという段取りになっています」という。場所はおそらく富士スピードウェイになるとのことだ。そのスタイル、そしてオーバーテイクを促すSF19はどんな姿になるのか、楽しみに待ちたいところだ。