FIAのGTコミッションは3月9日に行われたワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC)で“GT3プロトタイプ”の登場を阻止するべく、各マニュファクチャラーに最低生産台数を課すことを決定した。
GT3はジェントルマンドライバーなどカスタマーチーム向けに登場したもので、当初は比較的手頃な価格で販売されていたが、開発競争の激化などにより近年は価格が高騰。
また、北米のピレリ・ワールドチャレンジを戦っているキャデラックATS-V.Rのように、GT3ホモロゲーションを取得しながら一般に販売されないようなモデルも登場しており、今後は“GT3プロトタイプ”と呼ばれるようなワンオフ車両の登場も予想されていた。
これを受けてFIAは対応策を協議。その結果、今後は各マニュファクチャラーに最低生産台数の目標が課されることになった。具体的には今後GT3カーはホモロゲーション取得から12カ月以内に最低10台、24カ月以内に20台の生産目標が課されることになる。
この規定は今後ホモロゲーションを取得する車両に課されるものとなる予定。各マニュファクチャラーは詳細な生産台数を明かしていないものの、、現在の車両に当てはめるとアウディやポルシェ、BMWなどは、この規定をクリアしているとみられる。
その一方で、シボレー・コルベットC7 GT3-Rを手がけるキャラウェイや参入間もないホンダやレクサスなどは生産台数を満たせていないとされる。
この生産台数規定は、2018年に改良モデルを投入するベントレーやニッサン、2019年以降に新車を投入する見込みのマクラーレンやアストンマーチン、ポルシェなどから適応される見込みだ。