9日、2018年F1プレシーズンテストが最終日を迎えた。この日もドライコンディションとなったスペイン・バルセロナで、全10チームの12人のドライバーたちが開幕前最後の走行を行った。
8日間にわたって行われた合同テストの締めくくりの日、フェラーリのキミ・ライコネンがトップタイムをマークした。ライコネンは午前セッションでハイパーソフトタイヤにより1分17秒221を記録。これが最後まで破られることなく9日の最速タイムとなった。
ライコネンのこのタイムは、前日セバスチャン・ベッテルが記録した非公式のコースレコードには0.039秒及ばなかったが、フェラーリのふたりは8日間総合でタイム上、トップ2を占める結果となった。
最終日、2位に続いたのはマクラーレンのフェルナンド・アロンソだった。アロンソは午前に7周のインスタレーションラップを走り、最初のフライングラップに入り、最速のセクタータイムを出していたが、ターン7でコース外に出てマシンをストップ。マシンからはオイルが漏れ、コース清掃のため赤旗が掲示、セッションが中断された。
チームによるとターボのトラブルが発生したとのことで、パワーユニット交換が行われ、アロンソがコースに復帰したのは14時過ぎ。残り数時間でプログラムをこなすべく精力的に走りこんだアロンソは、17秒台タイムを連発。セッション終了直前には1分16秒720をマークし、一瞬トップに立ったが、シケインをカットしたとのことでこのタイムは取り消された。
アロンソは最終的に93周を走りこみ、ハイパーソフトでの1分17秒784でこの日の2位、8日間総合では3位に立った。
ルノーのカルロス・サインツJr.が最終日の3位。午前中は4回インスタレーションラップを走ったのみで、ギヤボックストラブルのためコースには出られず。午後はニコ・ヒュルケンベルグが担当する予定だったが、チームは予定を変更し、サインツを乗せることを決めた。ギヤボックス交換後、午後のセッション後半に復帰したサインツは、終盤2位のタイムを出すが、そのタイムはアロンソに破られ、3位となった。サインツは45周を走るなかでハイパーソフトで1分18秒092を記録している。
4位にはレッドブルのダニエル・リカルドが続いた。リカルドは午後にスーパーソフトで1分18秒327をマーク、一時2位に上がったが、サインツとアロンソに抜かれ、最終的には4位となった。この日、リカルドは92周の走行にとどまったものの、レッドブルは開幕戦に向けて例年よりもしっかり準備ができているとリカルドは語っている。
ハースのロマン・グロージャンが5位。この日はドライバー別では最多の181周を走り、午後にウルトラソフトで1分18秒412のタイムを出した。
メルセデスは午前にルイス・ハミルトン、午後にバルテリ・ボッタスを走らせ、レースシミュレーションに集中して作業を進めた。ハミルトンは97周のなかでスーパーソフトによる1分19秒464で11位に。ボッタスは104周を走り、ミディアムで出したタイム1分18秒825で6位となった。ふたり合計で201周を走りこみ、テストを締めくくった。
7位にはトロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーが入った。セッション終盤、パワーユニットのデータに異常が見つかり、終了約2時間前にチームは走行を切り上げた。しかしそれまでにハートレーは156周を走っており、プログラムはほぼ完了していたということだ。ハートレーは1分18秒949の自己ベストタイムをハイパーソフトで出している。
フォース・インディアのエステバン・オコンが8位。163周を走ったオコンは、ハイパーソフトで1分18秒967のタイムを記録した。
9位はザウバーのシャルル・ルクレールだった。午前にスピンし、ターン11でバリアにヒットし赤旗の原因を作ったルクレールは、「ペースにはすごく満足している。攻めすぎてスピンしてウォールに少し当たってしまった。朝の段階でこんなことをするなんてばかみたいだ。このミスから学ぶ」とツイートした。その後、コースに復帰したルクレールは一日のなかで合計75周を走行、自己ベストタイムはハイパーソフトでの1分19秒118だった。
ウイリアムズは午前中はリザーブドライバーのロバート・クビカを走らせる予定だったが、レースドライバーのランス・ストロールが悪天候などの影響により走行時間を大幅に失っていることから、クビカは自分の走行時間を彼に譲ることをチームに申し出たという。チームがそれを受けてセルゲイ・シロトキンを朝から走らせ、夕方からストロールを乗せるというスケジュールに変更した。
シロトキンは105周を走り、ソフトでの1分19秒189で10位、ストロールは27周のなかでソフトタイヤ装着時に1分19秒954をマーク、12位となった。
プレシーズンテストはこの日で終了。開幕戦オーストラリアGPは3月23~25日に開催される。