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「女性にF1は無理」発言で非難殺到のカルメン・ホルダが釈明「自分個人の経験として話したつもり」

2018年03月09日 16:01  AUTOSPORT web

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2016年はルノーの開発ドライバーを務めていたカルメン・ホルダ
カルメン・ホルダが、「フォーミュラEの方がF1やF2より肉体的に楽であり、女性ドライバーに適している」という自身のコメントについて、その発言の真意を改めて語った。

 以前はロータスとルノーで開発ドライバーを務め、現在はFIAの『女性のモータースポーツ活動推進委員会』のメンバーにもなっているホルダは、先週メキシコでフォーミュラEのマシンをテストした。

 電気のみを動力源とするマシンを体験した後、ホルダはフォーミュラEについて、女性ドライバーにとって身体能力的に手が届かないF1と違い、女性でも参戦可能なシリーズだと評した。

 ホルダのこのコメントにソーシャルメディア上で批判が殺到。2009年のF1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンもこの問題に関して「カルメン、身体能力の障壁は君が語る問題ではない」とする見解をツイートし、29才のホルダがモータースポーツにおいてこれまで成功体験を持っていないことをほのめかした。

 興味深いことには、この論争が起きて間もない今週初め、ザウバーF1がF3ドライバーのタチアナ・カルデロンをテストドライバーに起用することが発表された。カルデロンは、いつの日かF1で走るという野心を持つ女性ドライバーだ。

 ホルダは声明を発表し、以下のように述べた。

「土曜日のメキシコシティE-Prixの開催前、フォーミュラEのテストを行いました。その後、何人かの記者から取材を受けました」

「その中のひとりの取材で、フォーミュラEマシンを走らせることとF1マシンを走らせることの違いについて聞かれ、それから具体的にF1と比べてフォーミュラEの方が女性が参戦するうえで楽かどうかを聞かれました」

「私は両方のマシンに乗った経験があるので、個人的な意見を話しました。フォーミュラEのマシンに乗る方がダウンフォースが小さい分だけ、F1マシンと比べて身体的な負担は少ないということです」

「そして、これはF1における女性の『身体的な問題』に関わることだとも話しましたが、そのためにこの数日間、かなりの論争を巻き起こしてしまいました。その中には、モータースポーツにおける多くの卓越した女性ドライバーたちも含まれています」

「仲間であるドライバーのみなさんが意見を示してくれたことに感謝していますし、それらの見解は非常に大事なものだと思っています」

「私のコメントがすべての女性を代表するものであるかのように感じられてしまったとしたら、そしてそのために大きな混乱を生じさせてしまったとしたらお詫びします。私は単に自分個人の経験として話したつもりでした。モータースポーツの頂点であるF1で戦おうとしている女性たちを落胆させるつもりも、彼女たちが身体能力的に無理だと言うつもりも、まったくありませんでした」

「私のコメントは、『フォーミュラEの方が女性にとって楽だと思いますか?』という、直接的な質問への単純な返答だったのです」

「FIAの『女性のモータースポーツ活動推進委員会』メンバーとして私は、より多くの女性がコースの内外を問わずモータースポーツに関わってくれるよう力を注いでいます。そして、素晴らしい成果を出している方々を称賛します」

「ですからもちろん、先日ザウバーからF1テストドライバーとしての起用が発表されたタチアナ・カルデロンにもおめでとうと言いたいです」

「彼女には、F1のグリッドで決勝レースをスタートする41年ぶりの女性ドライバーになってほしいと思いますし、2018年シーズンでの活躍を願っています」

「モータースポーツに関わるすべての女性に『国際女性デー』のお祝いを申し上げます」