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小泉今日子「なんだか凄いものを観てしまった」 『ザ・スクエア』著名人コメント&本ビジュアル公開

2018年03月09日 12:32  リアルサウンド

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 第70回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール受賞作『ザ・スクエア 思いやりの聖域』の本ビジュアルと著名人の称賛コメントが公開された。


参考:猿人間が身体を張ってマナーを指南 『ザ・スクエア 思いやりの聖域』マナー広告公開


 『フレンチアルプスで起きたこと』のリューベン・オストルンドが監督を務めた本作は、美術館を舞台に“毒とユーモア”で人間の本質に迫る、社会派エンターテインメント。有名美術館の敏腕キュレーターが、自身のプロジェクトの展示作品“ザ・スクエア”が世間で思わぬ反響を呼んだために大騒動に巻き込まれていく様を描き出す。


 公開された本ビジュアルは、2枚の写真から成っている。上部には、物語の舞台となる荘厳な美術館が描かれ、その中央にはクリスティアンの運命を揺るがすことになる“ザ・スクエア”が。下部には、エリザベス・モス演じるインタビュアーのアンがクリスティアンに取材を行う様子が配置されている。『トゥームレイダー ファースト・ミッション』のドミニク・ウェストの姿などを捉えた場面写真も公開された。


 また、本作を一足先に鑑賞した各界の著名人から称賛コメントも。「なんだか凄いものを観てしまった」という小泉今日子をはじめ、女優の萬田久子、美術家の会田誠、ゲームクリエイターの小島秀夫らがコメントを寄せている。


【著名人コメント一覧】


・小泉今日子(俳優)
お洒落で知的でユーモアのある成熟した大人の映画。
明日は我が身という恐怖を感じながら、俳優たちの名演にゲラゲラと笑ってしまう。
なんだか凄いものを観てしまった。


・萬田久子(女優)
時代の流れに対する免疫力は生きていく上での力強さ。そしてサガ。
クリスティアンあなたはどうするの?
彼の魅力がいつのまにか私の心と哲学をハートの形に変えていた。


・会田誠(美術家)
現代美術館のチーフキュレーターが主人公のイヤ~な感じの(褒めてます)映画がカンヌグランプリっていう、その構図自体が、あまりに日本と違う(ネット炎上とか同じところもあるけど)。
この善かれ悪しかれの違い、今観ておくべきだと思いますよ。


・新谷学(『週刊文春』編集長 )
目を背けたくなるような人間の暗部。逃げるか、向き合うか──。“誠実さ”って何だろう。


・小島秀夫(ゲームクリエイター)
丸い地球に暮らす僕らは、実は四角い”聖域”に生きている。
建物、公園、扉、窓。法律、規範。家族、仕事、恋愛、教育。本、絵画、演劇、映画。携帯、タブレット、モニター、SNSまでもが四角(スクエア)で切り取られている。
四角い”日常”を、映画(スクリーン)という”フレーム”を駆使してじわじわと問い詰め、カクカクになった僕らの価値観や偏見を丸く吹っ飛ばす。
最後には丸裸にされた思いやりの”聖域”がまた額装され、奇妙にもアートとして見えてくる不条理劇。
幾重にもフレーミングされた頭のいい映画。


・山内マリコ(作家)
悪夢のようなシチュエーションに、凍りついたり笑ったり。
怖いもの知らずの挑発的な作品!


・村雨辰剛(庭師)
福祉国家や平等社会としてよく注目されるスウェーデンですが、
理想と現実には大きなギャップがあり、まだ解決をしなければいけない問題があるということを面白くとりあげてくれる作品でした。


・辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
ギャラリーで発生する不測の事態や気まずい空気がスリリングで一瞬たりとも目が離せません。
アート以上に人生は不条理だと気付かされました。


・シトウレイ(ストリートスタイルフォトグラファー/ジャーナリスト)
人間の倫理や正しさを、低い温度で淡々と突きつけ、問いかけてくる。観終わった後は、まるで低音火傷をしたような気持ちになる。独特の温度の作品。


・飯田高誉(インディペンデントキュレーター、森美術館理事)
『ザ・スクエア』は、グローバル化した世界に内在している人種や貧富の格差の問題をたいへんユニークな視点によって描き出したことです。
それは、現代美術に巣くっている欺瞞や偽善、虚構性を暴くことによって、現代社会が抱え込んでいる不条理な矛盾をみごとに浮かび上がらせたのです。
ただし、この映画は辛辣な批評性に満ちているだけではなく、ユーモアが重要な役割を果たしていることが特徴的です。
笑っているうちにいつの間にかユーモアが反転して人間の悲しい性(さが)を浮かび上がらせてしまう、ここにこの映画の妙があり、感動があります。


・原野守弘(クリエイティブディレクター)
この映画に「最高賞」を贈ったカンヌに、「最高賞」を贈りたい。
スクリーンで体験したい、美しすぎるアートディレクション。


・小林エリカ(作家・マンガ家)
目に見えない信頼やお金のことをこんなにも切実にそしてユーモラスに描けるなんて!
そして何より映画的にも突出した傑作に出会えた衝撃に震えました。


(リアルサウンド編集部)