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知念侑李主演映画『坂道のアポロン』ヒロインに 共演者を際立たせる小松菜奈の強さ

2018年03月09日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 「一生ものの友達と出会い 一生ものの恋をした 僕らの10年の物語」という青春を象徴するようなキャッチコピーと、ピアノの音色が美しい音楽。予告編を見ただけで泣ける予感がしてくる映画『坂道のアポロン』が3月10日に公開される。主演はHey! Say! JUMPの知念侑李。2016年公開の『金メダル男』に続き、2度目の単独主演だ。そもそも『坂道のアポロン』の原作は、2009年の「このマンガがすごい!オンナ編」で1位を獲得したこともある超人気漫画。知念の単独主演に加え、人気作の実写化ということもあり、大きな注目を集めている。


参考:知念侑李&中川大志、完成披露でイチャイチャ【写真】


 物語の舞台は長崎県・佐世保。神奈川県横須賀から転校してきた西見薫(知念)が出会うのは、札付きのワルとして知られる川渕千太郎(中川大志)と、彼の幼なじみの迎律子(小松菜奈)。元はクラシックをピアノで弾いていた薫だが、千太郎を通じてジャズにハマっていき、そして同時に律子に想いを寄せ始める。さらに上級生の深堀百合香(真野恵里菜)や、千太郎の兄・桂木淳一(ディーン・フジオカ)も登場。それぞれの想いが錯綜する若者たちの青春が描かれ、秀才肌だが心を閉ざしがちな薫の性格は、千太郎たちと関わっていくことで、徐々に変化していく。


 インタビューでは、「男同士、不器用だけどぶつかり合って傷つけ合って成長していく姿は、年齢性別関係なく心を打たれると思うでの、自分の青春に重なる部分を探しながら、二人を見守っていただければなと思います」(引用:大手小町|知念侑李さん 映画「坂道のアポロン」でジャズピアニストに挑戦)と知念も答えており、この作品に対する彼の自信が垣間見える。


 そして、知念の他に注目したいのが共演者の小松菜奈だ。今や押しも押されもせぬ人気女優となった彼女は、実に様々な映画・ドラマに出演している。小松と言えば、容姿端麗でどことなくエキゾチック。彼女を一躍有名にした『渇き。』の強烈な役のイメージも強く、実にアイコニックな存在である。その存在感と容姿から、観客にとって「強さ」を感じる女優の1人とも言えるのではないだろうか。そして、彼女の演技をよく見てみると、その強さは「共演者を飲み込む強さ」ではなく、「共演者を際立たせる強さ」であることが見えてくる。


 その小松の強さは、映画・ドラマに出演するジャニーズメンバーたちとの相性がいい。実際、『近キョリ恋愛』では山下智久、『黒崎くんの言いなりになんてならない』ではSexy Zone・中島健人、『溺れるナイフ』ではジャニーズWEST・重岡大毅と共演を果たし、ヒット作を生み出してきた。では、なぜ相性がいいのだろうか。


 山下、中島、重岡の3人が演じているのは、「漫画によくいるよね」というタイプの“型があるキャラクター”である。しかも漫画原作のため、ジャニーズメンバーたちは少なからず原作キャラクターに寄せた演技をしている。だが、小松が個性を強調した強い演技をすることで、それぞれのキャラクターが際立っていく。


 例えば『溺れるナイフ』。小松はトラウマを抱えるどこか闇がある少女・望月夏芽を演じたが、ジャニーズWEST・重岡はムードメーカーの明るい大友勝利役。常に夏芽を励まし、背中を押す役である。小松がトラウマに悩んだり、闇を抱える様子をこれでもかと出すことで、重岡との温度差が開き、役がより際立っていたという見方もできるのではないだろうか。


 3月10日に公開される『坂道のアポロン』で知念が演じるのも、「秀才で繊細な人物が明るく強くなっていく」というある意味ステレオタイプなキャラクターだ。小松のチカラを借りつつ、知念はどうキャラを演じてくのか。映画館でじっくり確かめたい。(高橋梓)