2018年03月08日 18:42 弁護士ドットコム
学校の理不尽な校則や指導を調査し改善につなげようと、NPO有志で発足した「”ブラック校則”をなくそう!プロジェクト」は3月8日、10ー50代の男女計2000人を対象に、中学時代と高校時代の理不尽な校則や指導経験を調べたアンケート結果を公表した。
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生まれつきの髪色が黒以外の人の中で、黒染めするよう要求された人は、中学校では9%、高校では17.6%にのぼり、年代別に見ると、年代が若い方が黒染めするよう要求された割合が高くなっている状況が明らかになった。
アンケートは同プロジェクトが2018年2月に調査会社を通じてウェブで実施。15歳~50代の男女を人口動態の比率に合わせてランダムに抽出し、1000人には中学時の経験(調査A)を、別の1000人には高校時の経験(調査B)を聞いた。
生まれつきの髪色が黒髪以外の人は、中学時の経験を聞いた調査Aで12.1%、高校時の経験を聞いた調査Bで11.9%といずれも全体の1割強いたが、そのうち黒染めするよう要求された人は、中学時では9%、高校時では17.6%にのぼった。
さらに年代別に見ると、50代の人が中学生だった時に黒染めを要求された割合は0%だったのに対し、10代では2.5%が要求された経験があった(調査A)。50代の人が高校生だった時に要求された割合は0.9%で、10代だと6.3%まで割合が高くなった(調査B)。
これについて同プロジェクトのアドバイザーである評論家の荻上チキさんは、「ここ数十年で染髪剤も普及して、黒染めも技術的には容易になっていった。黒染め要求が指導の名のもとに選択される機会が増えたのではないか」と話した。
また、中学時の校則の経験について年代別に見たところ、「体育や部活時に水を飲んではいけない」という校則は若い世代になるほど経験率が下がったが、「スカートの長さが決められている」「日焼け止めを持ってきてはならない」などは経験した人の割合が増加していた。
中学時の理不尽な指導については、「強く叩かれた」が50代で14.5%だった一方、10代は2.5%に止まるなど、体罰や廊下に立たせる、正座させるなどの指導経験は若くなるほど減少する傾向が見られた。高校時の校則や理不尽な指導の調査でも同様に、時代ごとに変化が見られた。
荻上さんは「社会的には体罰は禁止しようという流れがあるが、禁止すべきは体罰だけではない。本人の自尊心を傷つけ、プライバシーに配慮しない形で叱責することも、一つの人権侵害だという理解が必要だと思う。
体罰については『おかしい』という社会的な風潮が出て来たり、文科省が通達を出すことで現場でも改善されてきたが、なかなか指摘されてこなかった校則や理不尽な指導は増えているという状況も見えてきた」と話した。
インターネット署名サイト「change.org」で行っている「ブラック校則」に関する署名活動では、2万9千人(3月8日午後5時現在)を超える署名が集まっており、同プロジェクトは調査結果をまとめた報告書と合わせて、文部科学大臣宛に署名を提出する予定。
(弁護士ドットコムニュース)