女性ドライバーの第一人者カルメン・ホルダが「女性はF1では活躍できない」と発言したことに対し、関係者から異論、批判が噴出している。
FIAの『女性のモータースポーツ活動推進委員会』メンバーでもあるホルダは数日前、「フォーミュラEの方がF1やF2より肉体的に楽であり、女性ドライバーに適している」と、コメント。その発言にジェンソン・バトンがさっそく、「おいおい、カルメン、その発言は女性ドライバーたちのサポートに全然なってないよ。ダニカ・パトリックに訊いてみなよ。彼女は並みのF1ドライバーより、よほど体力がある」とツイートした。
そしてホルダ発言はジャン・トッドFIA会長の耳にも届いたようだ。
「モータースポーツに女性がどんどん進出してほしいと、私はずっと応援してきた。しかし現状はその願いからほど遠いことに、大きな不満も感じている」と、トッド会長はコメント。
「しかしだからといって、女性だけの選手権を立ち上げるというのは問題外だ」と語った。これはかつてバーニー・エクレストンが提案した女性100%のフォーミュラレースへのけん制でもある。
最近ザウバーのテストドライバーに任命されたタチアナ・カルデロンも「F1に私たち女性の居場所はあると、強く信じている」と語る。
「メカニックやエンジニアだけでなく、ドライバーとしての可能性も含めてね。なのでこの世界に進みたいと願い、情熱を傾ける女性たちに、私は支援を惜しみません。カルメンの発言は、逆に私たちの連帯を強めることになるでしょう」
史上初めて女性エンジニアとしてアウディをル・マン24時間制覇に導き、2012年の『WECマン・オブ・ザ・イヤー』に選出されたリーナ・ゲイドは、ホルダに対しもっとずっと辛辣だ。
「カルメン、私も同じ委員会のメンバーで、私たちの仕事は世界中の女性が今以上にモータースポーツに関わることを助けることでしょう? あなたにはそれがわかってるの? それにあなたのコメントは同時に、フォーミュラEの価値を貶めることになるのよ」