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欅坂46 今泉佑唯&小林由依、なぜWセンターに抜擢? 6thシングル『ガラスを割れ!』の重要性

2018年03月08日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 欅坂46の新曲「ガラスを割れ!」が3月4日、『シブヤノオト』(NHK総合)で初披露された。センターの平手友梨奈が同放送を欠席したため、代わりに今泉佑唯と小林由依がWセンターを担当。平手抜きという異例の体制、ゆいちゃんず(今泉と小林のユニット)のセンター抜擢に注目が集まった。


参考:欅坂46 長濱ねる、尾関梨香、小池美波によるユニット曲の意外性 「バスルームトラベル」MV解説


 『シブヤノオト』では、平手のほかにも鈴本美愉や志田愛佳も欠席。昨年末の『紅白歌合戦』(NHK総合)で体調を崩した3名が不在の形だった。また、欅坂46は3月9日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にも出演を予定しているが、その予告CMには「まさかの平手不在……」という文言があり、生放送の1週間前から不在が告知されている。センターの不在はピンチと言えるが、ほかのメンバーにとっては印象を残すチャンスでもあり、今回はゆいちゃんずのふたりに白羽の矢がたった。


 「ガラスを割れ!」における今泉と小林のポジションは、平手を両隣りで挟むシンメトリー。もし平手以外がセンターになるとすれば、この2人がいずれなるだろうという意見もファンの間では少なくない。そして何より本人たちがセンターを意識しており、平手一強に待ったの声を挙げているメンバーでもある。


 以前から歌やダンスの評価が高いゆいちゃんず。『シブヤノオト』のパフォーマンスで見せた掛け合いは、対立や相棒的な演出があるなど、Wセンターならではのステージを展開した。また、彼女たちの間から登場する裏センターの長濱ねるをはじめ、石森虹花や米谷奈々未など、今回は様々なメンバーがセンターポジションでアピール。絶対的センターの平手がいない分、各メンバーにスポットがあたる機会が多かったため、いつも以上にメンバーの気合いも入っていたように感じられた。


 小林が過去のインタビューで「平手がいなきゃ欅坂46は成り立たないって言われるのが、すごく悔しいし悲しいです」(『BRODY 2018年2月号』)と語っていたように、平手中心の体制に危機感を抱いているメンバーも少なくない。さらに今回の平手不在という事態は、<抑圧のガラスを割れ/怒り込めた拳で/風通しをよくしたいんだ/俺たちはもう犬じゃない 叫べ>という「ガラスを割れ!」の歌詞とリンクする部分もあるのではないだろうか。同インタビューで小林は、自分たちが犬だと思われているかもしれないと感じ、悔しくて泣いたと語っていたが、そういった感情や平手不在の状況が重なった結果、あのパワフルなパフォーマンスに繋がっていると考えると、楽曲のメッセージ性をより強く感じ取ることができた。


 また、『ガラスを割れ!』(TYPE-C)には、ゆいちゃんずのカップリング曲「ゼンマイ仕掛けの夢」も収録されている。同曲はゆいちゃんず再始動後初の新曲で、彼女たちらしいアコースティックギターのサウンドと歌声のハーモニーが心地良い。「ガラスを割れ!」とは対照的な同曲は、欅坂46の音楽性の幅を広めているのはもちろん、ゆいちゃんずの存在の大きさを改めて感じさせる。


 6thシングルは、このままゆいちゃんずのWセンターでいくのか、それとも平手がセンターとして戻るのか。次回の『Mステ』でのフォーメーションが持つ意味は大きいだろう。結果によっては、2周年記念ワンマン公演に影響を及ぼす可能性もある。もちろん、今回の抜擢に対する賛否はあるだろう。しかし、平手抜きでの欅坂46を見せるには良い機会であり、ここが新しい時代の幕開けのきっかけとなるのかもしれない。(本 手)