キャリコネニュースでは、約100万人が登録する国内有数の転職口コミサイト「キャリコネ」のデータから業界別で「給与の満足度が高い会社ランキング」を作成した。今回は食品・飲料メーカー業界のランキングだ。
対象は、2016年10月1日~2017年9月30日の期間に評価が10件以上寄せられた企業。海外市場開拓の動きも強まる食品・飲料メーカー業界は、健康需要の高まりや時短・簡便を訴求した商品の販売が好調で、各社はこうした多様なニーズに応える高付加価値の商品の開発を進めている。アルコール飲料ではビール系の市場縮小は続くが、高アルコール系製品などその他酒類が牽引し消費量は横ばいとなっている。
当記事では「キャリコネ」ユーザーが採点したいくつかの評価項目の中でも、「給与の満足度」の得点に注目しランキングを作成した。「給与の満足度」は仕事内容や労働時間などを考慮しての評価で、単純な金額の高低とはまた違った指標となっている。
食品・飲料メーカー業界の「給与の満足度」の平均点数は以下のようになった。
1位:味の素 3.72点
2位:日清食品 3.50点
3位:アサヒビール 3.46点
3位:明治 3.46点
5位:伊藤園 2.43点
2位の日清食品は「27歳以降は年収600万円ほど」
1位:味の素
アミノ酸技術に強みを持つ総合食品メーカーである味の素が1位となった。「育休産休については、理解があり、遠慮せずに取っておられました。また、会社の体力があり人員にも余裕のある会社なので、ひとり休んでも仕事が回らないという事はなく、足りない場合は、すぐに派遣社員を補充してくれます」(人事 30代後半 女性 450万円)といった声もあった。ワークライフバランスを重視のホワイト企業として有名な同社は、就活生の間でも大変な人気を誇る企業のひとつだ。
「管理職候補の女性の方もおられ、性差はないと感じました。育休産休も問題なくとれ、所属していた部門では、ほぼみなさんが復帰されていました」(人事 30代後半 女性 450万円)
「派遣社員で働いている。仕事を丁寧に教えてもらい、様々なことができてスキルアップした。実験の内容を理解して業務にあたることや、良いデータが出た時は、自分もその一部を担ったというやりがいと達成感を感じる。社員さんは気さくな人が多く働きやすい環境。派遣社員の意見も聞いてくれる」(研究開発 30代前半 女性 250万円)
2位:日清食品
即席麺の国内シェアで約4割を誇る日清食品は2位に。即席麺市場は少子高齢化の影響で縮小傾向にあるものの、震災などを機に保存食としての需要が増加。健康志向や多様な嗜好に合わせて需要の刺激に動いている。また、今後の経済成長が見込める東南アジアなど、海外市場の開拓にも力を入れている。
「同業他社と比較して、かなり良いと思います。20代初めころは、他社とあまり変わりはありませんが、27歳以降(4年目以降)は年収600万円ほどになります。残業手当を入れると700ほどもらっていました。残業に関しては、あまり多くないですが、忙しい時期には30時間以上はします。その分手当としてもらえるので不満は全くありません」(ルートセールス 男性 700万円)
「社宅については手厚くなっているが社宅に該当しない人とする人の格差が非常に大きい。営業部門にいる人は非常に多くの頻度で異動があるため社宅に恩恵を受けやすい。ただし、寮も管理されているので新卒の場合は入寮ができる」(財務 30代前半 男性 600万円)
3位:アサヒビール
3位にはビール系飲料出荷量で国内首位のアサヒビールが入った。口コミでは「女性の働きやすさについては何十年も前から働きやすい。育休も取りやすく、リターン率もかなり高くて、実際の体感としても凄く取りやすかった。上司も快く休みを快諾してくれるので、気兼ねなく人生設計を行うことができました」(広報 40代後半 女性 600万円)という声もあり、女性も働きやすい環境であることが伺えた。
「福利厚生も充実しており、アサヒビールの保養所なども観光地にあったりして一般的な大企業として申し分ない。有給取得率も非常に高く、こちらも取得したいときにとれるので、特に問題ない。ライフ・ワーク・バランスのとりやすい福利厚生内容」(広報 40代後半 女性 600万円)
「営業先で提案したものが実際に売れ筋の商品となっていると当然ながらモチベーションが上がります。営業活動を続けているうちに酒類の知識がついてきてお客様が求めている商品を的確に提案出来るようになってくると更に仕事が面白くなっていきます。また土日にしっかり休みが取れるのもリフレッシュ出来るので有難かった」(ルートセールス 20代前半 男性 400万円)
「介護休職や突然の有給にも理解がある」(明治)「住宅手当から交通費支給まで整っており、社員は明るい人が多い」(伊藤園)
3位:明治
同じく3位には明治ホールディングス傘下のチョコレート菓子の最大手、明治が入った。最近、コーン系スナック菓子「カール」の販売地域縮小でも話題になった同社だが、「残業もありますが、組合がしっかり機能しているため、そこまで大変なことはありません。私のところは多い日もありましたが、 定時で帰る日もたくさんあります。休日出勤もありました。残業代も休日出勤の手当てもたくさんいただけたので、満足です」(研究開発 30代前半 女性 450万円)といった声があった。
「出産、育児に理解があり、早上がり等のシステムがあります。実際に使われている方もたくさん見てきました。また、介護も同様です。介護休職をしている方もいました。これらの制度が取り易い様に思いますし、突然の有休も理解してもらえる様です」(研究開発 30代前半 女性 450万円)
「食品会社ということで、幅広い商品、そして世の中でかなり知れ渡っている商品を取り扱っている部分は誇りに感じる。国内市場が成熟するなかで、今後、さらに海外の市場開拓が重要になってくると思っています。そこのあたりに携わることに意義を感じることができれば大きなやりがいになるのではないかと思います」(企画営業 30代後半 男性 800万円)
5位:伊藤園
緑茶を強みとし、その他の茶系飲料やコーヒーの分野でも急伸中の伊藤園。お茶に関する知識と技術の向上、社内外への茶文化の普及などを目指した独自の社内制度"ティーテイスター(茶資格)制度"などもあることで知られている。
「支店での営業は月に1回、多い支店だと2回ほど休日出勤があります。しかし休日に出勤した分は平日で休みを取ることが可能です。残業は平日20時に支店がしまるのでそれまでに退社しなければなりません。また水曜日はノー残業デーが実施されるため17時半が退社時間になります」(ルートセールス 20代後半 男性 400万円)など、労働時間短縮への取り組みを推進しているようだ。
「ルートセールス営業はきつい部分もあるけど、体がなれてくる。楽しんでやることが長続きの秘訣です。人間関係はよい。明るい人が多い。社員全員が商品企画に参加できるボイス制度がある。ティーテイスター試験は年次、職位に関係なく受験できます。飛び込み新規も営業の醍醐味です」(ルートセールス 30代後半 男性 600万円)
「住宅手当から交通費支給まできちんと整っている。保養所も低価格で借りることができ、やはり大企業というだけある。その他、テーマパークなども割引券があるので大満足」(ルートセールス 20代後半 男性 400万円)