アストンマーチンは3月6日、スイスで開催されている第88回ジュネーブ国際モーターショーで同社が開発中の『アストンマーチン・バルキリー』をもとにより高いパフォーマンスを発揮するサーキット専用車『バルキリーAMR Pro(Valkyrie AMR Pro)』をワールドプレミアした。
バルキリーAMR Proは“世界最速”“究極の走り”を実現するロードカーとして、現在アストンマーチンとレッドブル・アドバンスド・テクノロジーが共同開発しているアストンマーチン・バルキリーのサーキット専用モデル。
アストンマーチンでもっとも才能に溢れるデザイン・エンジニアチームと、アストンマーチン・レッドブル・レーシングのテクニカルチーフを務めるエイドリアン・ニューエイらのプロジェクトチームによって製作されている同車は、F1やWEC世界耐久選手権を戦うLMP1マシンレベルのパフォーマンスを備えたマシンになるとアナウンスされている。
これまでレンダリングのみが公開されていた同モデルは今回、ジュネーブモーターショーの会場においてレッドブルF1のクリスチャン・ホーナー代表とニューエイの手によってアンベイルされ、姿を現したマシンはその外見からもロードカー離れしたデザインを持つバルキリーをさらにアグレッシブなエアロデザインに仕立てていることが確認できる。
気になるマシンスペックは、6.5リッターV12ハイブリッド・パワートレインの最高出力が1100馬力を超え、1000kgに抑えられた車重に対するパワーウエイトレシオが1馬力あたり1kgを切る数値となったことがアナウンスされた。
また最高時速は360km/hに達し、最大1000kgにもなるダウフォースによって、高速走行時には横方向のGが3Gを超えるという。
「バルキリーAMR Proと今年のレッドブルF1『RB14』を同時にジュネーブでお披露目できたことは私にとって特別な瞬間だった」と語ったニューエイ。
「ロードカーのバルキリーでもF1デザイナーとしてキャリアの中で得た知識を元に多くの設計思想をフィードバックしているが、サーキット専用のAMR Proバージョンでは公道走行時の法律や実用性の制約を受けないため、より多くのアイデアを投入することができた」
2020年のリリースを予定しているアストンマーチン・バルキリーAMR Proは、世界25台の限定生産となり、そのすべてがすでに売約済みとなっている。