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フェラーリ、最新V8ロードカー『488ピスタ』初披露。高次元の性能はレース由来

2018年03月07日 17:12  AUTOSPORT web

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ジュネーブ国際モーターショーでワールドプレミアされたフェラーリ488ピスタ
フェラーリは3月6日、スイス・ジュネーブで開幕した第88回ジュネーブ国際モーターショーにおいて、フェラーリ488 GTBのハイパフォーマンスモデルとなる『フェラーリ488ピスタ(488 PISTA)』をワールドプレミアした。

 イタリア語で“サーキット”を意味するピスタという名が与えられた最新モデルは、そのエアロデザイン、メカニカル面にF1やWEC世界耐久選手権、フェラーリが長年サポートするワンメイクレース“フェラーリ・チャレンジ”などのモータースポーツ活動で培った技術が惜しみなく注がれたスペシャルモデルだ。

 車両開発においてもっとも力が注がれたのはエアロダイナミクスといえ、新設計された前後バンパーやスポイラー、ロードカーに初めて採用された“Sダクト”、アクティブフラップが装備された大型のリヤディフューザーなどによって、ドラッグの増加はわずか2%に抑えながら標準モデルとなる488 GTBから総ダウンフォース量を18%増大させることに成功している。

 また、高効率を追求したエアロダイナミクスはエンジン性能の面でも効果を発揮する。フェラーリ488ピスタに搭載されるエンジンは、2年連続でエンジン・オブ・ザ・イヤーを獲得しているV8ツインターボエンジンだが、開発チームはこのパワーユニットのパフォーマンスをさらに高めるため、エアインテークを車両サイドからリヤスポイラー部に移設。

 これと同時にインテークレイアウトを最適化し新気流入量を増やすとともに、新設計のエアロダイナミクスよって吸気温度を15度低下させることで50馬力のパワーアップを実現させている。

 エンジン性能を最大まで発揮するにはインタークーラーを従来モデルと比べて25%拡大しなければならなかったが、これもフロントエリアの大幅なデザイン改良と、フェラーリ・チャレンジで培われた後方に傾斜させる設置方法によってわずかなサイズ拡大に留めている。

 この設置方法はフロントのラジエターでも同様に採用されており、熱交換器を通過した空気を車両下部に流すことによってインタークーラーの効率を最大10%高めるだけでなく、ドラッグを7%低減させることにも役立っているという。

 コクピットは一般的なスポーツカーよりも明確にレースカー的なフィーリングを持たせるため、カーボンファイバーやアルカンターラを多用。その上で余分な要素を排除しながらフェラーリならではのラグジュアリー感とハイテク装備が組み合わさる空間となっている。

 なお、価格や生産台数については今回の発表ではアナウンスされておらず。リリース時期も現在のところ明らかになっていない。
■フェラーリ488ピスタ(Ferarri 488 PISTA)
車両寸法(全長×全幅×全高):4605×1975×1206mm
トレッド(前):1679mm
トレッド(後):1649mm
乾燥重量:1280kg
エンジン:3.9L 90度V8ツインターボ
圧縮比:9.6:1
最高出力:720PS/8000rpm
最大トルク:770Nm/3000rpm
トランスミッション:7速F1デュアルクラッチギアボックス
0-100km/h加速:2.85秒
0-200km/h加速:7.60秒
最高速度:340km/h
タイヤ(前):245/35 ZR 20 J9.0
タイヤ(後):305/30 ZR 20 J11.0