FIAは、以前フェラーリでチーフデザイナーを努めていたニコラス・トンバジスを、F1を統括する技術部門のトップに任命した。
グランプリレース同様に、トンバジスはF2及びF3でも技術面の監督も担当することになる。
彼はFIAの技術部門長ジル・シモン直属の部下となる。ホンダF1の元エンジンコンサルタントであるシモンは、FIAの技術部門の再編成に伴い、昨年夏にFIAに加わった。
FIAのレースディレクターであるチャーリー・ホワイティングは、同じく組織再編成を受けて部門長に任命された。2018年にトンバジスは、ホワイティングと緊密に協力しながら仕事を進めていくことになる。
トンバジスは過去に、ベネトンで1992年から主任空力責任者を務めており、その後は同様の役割で2003年までフェラーリに在籍した。
フェラーリを離れたトンバジスは2年間をマクラーレンで過ごした後、再度フェラーリへと戻り2014年末までチーフデザイナーを務めている。その後、2016年には主任空力責任者としてマノーに加わったが、チームはシーズンの終わりに破産した。
それ以来、トンバジスは自身のコンサルティングビジネスを開始し、インペリアル・カレッジ・ロンドンで空気力学の客員教授を務めてきた。
また彼は、F1のモータースポーツ担当ディレクターのロス・ブラウンとともに仕事をしてきている。彼は、F1新オーナーのリバティ・メディアがスポーツの未来を形作るのを助けるために、ブラウンが指名した専門家のうちのひとりだった。
トンバジスは正式にFIAに加わり、以前マルチン・ブコウスキーが行なっていた役割と同様の職務にあたる。40歳でポーランド出身のブコウスキーは、9月にFIAのF1技術部門長のポストから退いた。
その後、ブコウスキーはルノーF1の管理職に就任している。機密性の高い研究や開発プロジェクトの情報に彼が接していたことについて各チームから苦情があり、ブコウスキーは4月までガーデニング休暇中だ。
この職務を引き継ぐことで、トンバジスはFIAの主要なシングルシーター選手権の長期的戦略に貢献することになる。彼が担うことになる責務の中には、スポーツと技術面でのレギュレーション変更の構成を助けることがある。