保育士が「子どもができてすみません」と職場に謝罪し物議を醸した問題。3月6日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)でも、キャリコネニュースの記事が取り上げられ、議論が行われていました。
経済評論家の勝間和代さんは、「はっきりとした人権侵害」などとコメント。保育士の労働環境に意見しました。(文:okei)
「いつ妊娠するかは、全部本人に権利がある」
発端は、毎日新聞の投書欄に掲載された「職場の保育園で、妊娠の順番を破ったことを園長に謝罪した」という話だ。本来喜ぶべき妊娠が、子ども相手の職業人の謝罪理由になるとは皮肉極まりない。記事を読んだ人から「闇過ぎる」などとネットで批判が上がっていた。
意見を求められた勝間さんは、「これ、はっきりとした人権侵害です」とコメント。
「それぞれの人が、どのタイミングでいつ妊娠していいというのは全部(本人に)権利があるべきですし、そのために産休育休という制度があるんですよ」
では、なぜこんな事態になっているのか。勝間さんは「日本は、意外と産休育休、とくに育休の制度が手厚すぎるんです」として、
「だからコストがすごくかかる。予算の範囲を超えてしまい、しかも代理も雇わなくてはならないのでダブルで予算がかかる」
と雇用側の負担を解説した。育休に対する企業への補助、または代理教員への補助を増やすなど、なんらかの手段を講じない限り人が雇えないのだという。
立花胡桃「主婦を助けられるのって主婦しかいない」
一方、作家の立花胡桃さんは、「私、園長さんの気持ちすごくよくわかるんです」と切り出した。
「女性だけの職場だから、予定なしに妊娠されると周りがフォローしなきゃいけない。結局、他の女性が迷惑したりするんです」
子どもが小学生になった胡桃さんは、現在、補助要員として幼稚園で働いている。保育士が足りないので卒園生の母親たちに声が掛かり、補助として働く女性が多いそうだ。しかし、資格がないため担任にはなれず、保育士は足りないままだ。
胡桃さんは、「担任の先生ってだいたいが20代30代で、結婚や妊娠の適齢期にある。結婚を機に担任から補助になることもけっこうあって、担任の先生がどうしても(もっと)必要になる」と窮状を訴えた。つまり、一番の問題は「人材不足」という主張だ。
そのため胡桃さんは、リカレント教育(学び直し)の学校で、保育士の資格を取ろうと考えているという。勝間さんが「私たちみたいに産み終わっちゃった人たちがそこで働けばいいってことね」と話に乗ると、胡桃さんはそうですと応え、
「私、主婦を助けられるのって主婦しかいないと思ってるんで」
と持論を語った。勝間さんは大きくうなずいていた。
筆者の40代の友人にも、元保育士や元幼稚園教諭がけっこういるが、復職したい人は少ない。「割に合わないのよ~」と、待遇の悪さを漏らしていた。まずはそこである。
勝間さんは、「資格を持っている人はたくさんいるんですけど、待遇が悪かったり働きにくかったりするから、そこも改善が必要です」と指摘していた。