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NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 2018第3戦ラスベガス レースレポート

2018年03月07日 16:22  AUTOSPORT web

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NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 2018第3戦ラスベガス レースレポート
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第3戦ラスベガス
カイル・ブッシュが地元で追い上げ2位
 NASCARは一転米国西部へと舞台を移しラスベガスへ。カップ・シリーズではラスベガス出身のカイル・ブッシュが追い上げを見せましたが惜しくも2位。エクスフィニティ・シリーズではルーキーのクリストファー・ベルがレギュラー最上位となる2位でフィニッシュ。

 トラック・シリーズではカイル・ブッシュがポール・トゥ・ウィンで快勝し、地元で自身シリーズ通算50勝目を挙げました。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第3戦 Pennzoil 400
開催日:3月4日

カイル・ブッシュが地元で追い上げ2位

 3月4日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第3戦『Pennzoil 400』が開催されました。

 開幕からの2戦、米国東部で行われてきたNASCARは、3000km以上も移動し、米国西部での連戦に入ります。ラスベガスでのレースはこれまで年間1戦のみ行われてきましたが、今季より年2戦開催に。秋の開催は『プレーオフ』の初戦となり、コース攻略はより重要となります。

 ここラスベガスはカイル・ブッシュの出身地。そのカイル・ブッシュはこの週末に開催される3カテゴリーのレース全てに出場。トラック・シリーズ戦で勝利を挙げており、自身カップ・シリーズで2009年以来となる勝利を目指しました。

 また、昨年のシリーズチャンピオンであるマーティン・トゥルーエクス・Jr.にとっても、昨年初勝利を挙げ、快進撃のきっかけとなったコースでもあり、その活躍に期待がかかりました。

 4日(日)、晴れ渡った空の下、午後3時48分に1.5マイルオーバルを80周、80周、107周の3ステージ合計267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。4番手スタートのトゥルーエクス・Jr.が順調にポジションを上げ、2位へ。

 13番手スタートのカイル・ブッシュは序盤ハンドリングに苦しみますが、ステージ後半には調子を取り戻し、トップ10入り。

 ステージ1はイエローコーションが出ないまま推移する中、この日絶好調のケヴィン・ハーヴィック(フォード)が独走。多くの車両を周回遅れとし、ステージ1が終わった時点で首位と同一周回はわずか15台に。そんな展開でも、トゥルーエクス・Jr.はハーヴィックを追い2位、カイル・ブッシュが9位となりました。

 ステージ2もイエローコーションが出ない展開。トップ10前後での走行を続けていたデニー・ハムリンは、ステージ中盤、グリーンフラッグ下でのピットイン時に痛恨のスピード違反を取られ、周回遅れに。速さを見せていたダニエル・スアレツも、ピット作業時のトラブルで大きく順位を落としてしまいました。

 ステージ2はカイル・ブッシュが5位、トゥルーエクス・Jr.が7位。首位と同一周回が13台という厳しい展開の中、エリック・ジョーンズも11位と健闘を見せました。

 ステージ3は、始まって間もなく2度のイエローコーションが出されましたが、終盤は73周にわたってグリーンフラッグランが続きました。

 カイル・ブッシュはピットインのタイミングを遅らせ、一旦はトップに立った後、残り30周でピットインし、5位でコースに復帰。その後、猛烈な追い上げを開始すると、残り20周ほどで2位に浮上。首位を行くハーヴィックを追いました。

 じりじりとハーヴィックとの差を詰めたカイル・ブッシュでしたが、この日レースの大半を支配する速さを見せたハーヴィックを捕らえるまでには至らず。地元ラスベガスで2位フィニッシュ。

 トゥルーエクス・Jr.もピットイン後は9位まで落ちたものの後半追い上げ、残り10周を切ってトップ5入りを果たし、4位でチェッカーを受けました。エリック・ジョーンズも8位に入り、トヨタ・カムリは3台がトップ10フィニッシュを果たしました。

 次戦第4戦は3月11日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われます。

ドライバー カイル・ブッシュ
「レース後半の100周、我々のトヨタ・カムリは本当に速かったです。序盤は苦戦しましたが、徐々に調子を改善させていきました。チームも素早いピット作業で助けてくれるなど、週末を通して素晴らしい仕事をしてくれました」

「ただ、4号車(ケヴィン・ハーヴィック:フォード)を捕らえるまでには至りませんでした。彼らと戦うために何が必要なのかはわかりませんが、何かしなくてはならないことは確かです。とはいえ必ず捕らえてみせます。今日は我々にとって良い一日でした。次戦フェニックスが楽しみです」

NASCAR XFINITY SERIES
第3戦 Boyd Gaming 300
開催日:3月3日

クリストファー・ベルが2位フィニッシュ
 3月3日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第3戦『Boyd Gaming 300』がラスベガス・モーター・スピードウェイで開催されました。

 今大会、地元出身のカイル・ブッシュは3日間連続、3カテゴリー全てのレースに出場。前日行われたトラック・シリーズで勝利を挙げる順調なスタートを切り、地元での3カテゴリー制覇を目指しエクスフィニティ戦に臨みました。

 3日(土)午後4時21分、1.5マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。

 昨年トラック・シリーズのチャンピオンに輝き、今季からエクスフィニティ・シリーズにフル参戦している23歳のクリストファー・ベルは、前戦アトランタに続き、2戦連続のポールポジションを獲得。

 序盤から首位争いを繰り広げ、ステージ1の残り2周で首位を奪取。そのまま逃げ切りステージ1を制しました。また、予選5番手のカイル・ブッシュ、予選16番手のブランドン・ジョーンズも序盤から追い上げを見せ、ステージ1はそれぞれ3位、9位。

 ステージ2では、スタート前のピットでホイールナット脱落のアクシデントに見舞われたブランドン・ジョーンズが20位に後退するも、素晴らしい追い上げを見せ7位フィニッシュ。ベルは9位、カイル・ブッシュが10位と3台揃ってトップ10に入りました。

 ステージ3は再びベルがトヨタ勢最上位で首位を争う一方、トップ10圏内につけていたカイル・ブッシュは残り35周でグリーンフラッグ下でピットに向かった際、燃料給油作業以外はできないクルーが転がってきたタイヤに触れてしまったためにペナルティ。1周遅れの20位へと後退してしまいました。

 その後、レースは残り10周でイエローコーションが出され、カイル・ブッシュは『ラッキー・ドッグ(イエローコーション発生時の周回遅れ最上位が首位と同一周回に復帰できる救済措置)』を獲得。

 ベルは最後の7周、再スタート後も懸命に首位の車両を追いましたが惜しくも及ばず。それでも2戦連続でシリーズレギュラー勢の最上位となる2位フィニッシュ。ランキングも3位へと浮上しました。ブランドン・ジョーンズは2戦連続トップ10フィニッシュとなる7位でチェッカー。カイル・ブッシュは14位に終わりました。

 次戦第4戦は3月10日(土)、フェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われます。

ドライバー クリストファー・ベル
「同じチームでダートオーバルレースを戦ったカイル(ラーソン:シボレー)と1-2でバトルが出来たのは最高でした。この世界でレースを戦う上で、今のチームにいられるというのはこれ以上ない喜びです」

「このチームの一員としてレースを戦っているとき、まるでチーム全員の力が乗り移っているかのように感じます。その期待に応えるべく、ミス無く上位を争っていきたいと思います」

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第3戦 Stratosphere 200
開催日:3月2日

カイル・ブッシュが地元でシリーズ通算50勝目!
 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第3戦『Stratosphere 200』が3月2日(金)にラスベガス・モーター・スピードウェイで開催されました。

 地元ラスベガス出身のカイル・ブッシュはこの週末の3カテゴリー全てに出場。まず初戦となるトラック・シリーズで、前戦アトランタに次ぐポールポジションを獲得しました。

 2日(金)コースを夜のとばりが覆った午後7時11分、1.5マイルオーバルを30周、30周、74周の3ステージ合計134周(201マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。

 ポールポジションのカイル・ブッシュは好スタートで首位を守りましたが、15周目にスピン車両によりイエローコーションが出されると、再スタートで19歳のチームメイト、ノア・グラッグソンが先行。

 ステージ1はグラッグソン、やはりチームメイトで今季シリーズデビューの19歳、スペンサー・デイヴィスが2位、カイル・ブッシュが3位となり、トヨタ・タンドラがトップ3を独占しました。

 ステージ2では、カイル・ブッシュがタイヤ2本交換作戦で首位に立ちましたが、終盤ハンドリングに苦しみ、3位でフィニッシュ。前戦初勝利を挙げたブレット・モフィットが5位、グラッグソンが6位となりました。

 ステージ3は、カイル・ブッシュ、モフィットらによる3ワイドでの激しい首位争いが展開。しかし、モフィットは残り40周ほどの時点で、周回遅れをかわそうとして接触。カイル・ブッシュが首位に立ちました。

 モフィットはその後追い上げを開始。カイル・ブッシュは猛追を凌ぎきってトップチェッカー。自身トラック・シリーズでの記念すべき通算50勝目を地元ラスベガスで挙げました。

 また、カイル・ブッシュは既にカップ・シリーズとエクスフィニティ・シリーズのラスベガス戦で勝っていますが、トラック・シリーズでは初勝利。比較的新しいコースであるラスベガスにおいて、NASCARトップ3カテゴリー全てで勝利を挙げた初めてのドライバーとなりました。

 次戦第4戦は3月24日(土)に米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイで開催されます。

ドライバー カイル・ブッシュ
「大きな意味を持つ勝利です。自分のチームを持って以来、他の多くの地域やコースで勝ち、ここラスベガスでも何度も良いレースを戦ってきましたが、なかなか勝てませんでした」

「自分の地元で勝ち、トラック・シリーズでの勝利コースに加えられるというのは本当に素晴らしい気分です。これ以上素晴らしいトヨタ・タンドラはないと思います。信じられないほど最高の仕上がりでした」