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石橋杏奈、主人公に欠かせない役への抜擢続く 『きみ棲み』で見せる自然派女優としての実力

2018年03月06日 16:51  リアルサウンド

リアルサウンド

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 現在放送中の吉岡里帆主演ドラマ『きみが心に棲みついた』(TBS系)で、吉岡演じるキョドコと対立関係にある飯田彩香を演じている女優・石橋杏奈に注目が集まっている。


参考:【画像】『きみが心に棲みついた』第8話で暴走する石橋杏奈


 石橋は去年から今年にかけて、『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』(2017年)、『リンキング・ラブ』(2017年)、『泥棒役者』(2017年)、『勝手にふるえてろ』(2017年)、『今夜、ロマンス劇場で』(2018年)と話題作に立て続けに出演。どの作品も主人公の妹、親友、母など、重要な脇役を演じている。


 石橋の女優としての魅力について、2014年公開の『百瀬、こっちを向いて。』での神林徹子役に射止められたという映画ライターの折田侑駿氏は、次のように分析する。


「『百瀬、こっちを向いて。』の頃から、真面目で秀才という役柄も含めて、正統派美少女というイメージでした。当時もそうでしたが、最近の出演作でも、主人公のそばにいる大事な脇役を演じています。『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』では、22年前の事件で行方不明になった主人公の妹、『勝手にふるえてろ』では、主人公が唯一本音を話せる同僚、『今夜、ロマンス劇場で』では、作品の進行を進める役として、重要な役回りを演じていました。主人公のそばにいるのですが、主役を立てるというよりも自然にそこにハマっている。他のキャラクターが隠れてしまうような主張が強い印象もありません。石橋さんが役に収まって見えるので、しっかりクオリティを上げて演じているのかなと思います。それぞれの役を丁寧に演じているからこそ、作品を支えられる存在になっている気がします。あの作品もこの作品もと、思い返して観ると気付くことが多いのも事実。下手したら主役よりも輝いてしまいそうなルックスではあるものの、違和感なくそれぞれの役に自然とハマる感じが上手いのかもしれません」


 また、『きみが心に棲みついた』で石橋が演じている役柄について、ライターの佐藤結衣氏は次のように考察する。


「今回、石橋さんが演じている飯田は、田舎から出てきてダサく見られたくない、“背伸びしている感じがちょっとイタい女性”という役で、彼女の本来の清純派なイメージを打ち壊していく役への挑戦だったのかなと思います。第7話では、星名(向井理)に想いを寄せるあまり、星名がその存在をひた隠しにする母親の自宅まで押しかけてしまうシーンがありました。ドアを開けたときに見せた顔は、心が完全に囚われてしまっているような表情は、石橋さんの爽やかさとは真逆でした」


 演じるのが石橋だからこそ飯田という役が巧く生かされていると佐藤氏は評価する。


「もし飯田の役を強い印象を持つ女優さんが演じていたら、“キョドコのライバル”という視聴者にとって単純な嫌われ役になってしまっていたかもしれません。しかし、石橋さんが飯田を演じることで、キョドコとはまた別のベクトルで、星名に振り回されている被害者の1人に見える。それは、石橋さんが持つ透明感ならではなのではないでしょうか。人のもろさや弱さというこのドラマが描こうとしているテーマの輪郭がよりはっきりするように感じます。『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK)での石橋さんの活躍ぶりを見ていても、ピュアな人柄が溢れ出ていて、一生懸命さが伝わってきますし、視聴者自体が石橋さんを好意的に見ているという前提が強い印象を受けます。自身がもつ好感度を巧く役にも影響させて、見せてくれているのではないでしょうか」


 5月12日に公開を控える中山美穂主演映画『蝶の眠り』でも、主人公の女性が惹かれ合っていく男性の元カノ役として、3番手での出演が決まっている石橋。ラストスパートをかける『きみが心に棲みついた』を石橋がどう楽しませてくれるのか、見逃せない。


(大和田茉椰)