レギュラーシートを失った2017年、ステファン・サラザン(左)はスパ、ル・マン、オースティンにスポット参戦した。 TOYOTA GAZOO RacingのドライバーとしてWEC世界耐久選手権/ル・マン24時間レースに参戦してきたステファン・サラザンが今季、チームを離れることが発表された。サラザンはトヨタのライバルとなるロシアのLMP1プライベーターチーム、SMPレーシングから2018/19年の“スーパーシーズン”に参戦する。
元プジョー・ワークスドライバーで2012年よりトヨタのLMP1ドライバーとしてル・マンで2度の2位表彰台を獲得するなど、チームに貢献してきたサラザン。
スポーツカーレースだけでなくWRC世界ラリー選手権やフォーミュラEに参戦するなど、多方面で活躍するフランス人は2017年シーズン、トヨタのレギュラーシートを喪失したが、チーム3台目の9号車トヨタTS050ハイブリッドのドライバーとして国本雄資らと第2戦スパ・フランコルシャンに出場。
第3戦ル・マンではホセ-マリア・ロペスに代わって小林可夢偉、マイク・コンウェイとともに7号車トヨタをドライブしたほか、第5戦オースティンではリザーブドライバーとして同ラウンドを欠場したアンソニー・デビッドソンの代役を務めている。
そんなサラザンは今シーズン、WECでのレギュラーシートを求め6年間在籍したトヨタを離れる決断を下した。
「ステファン(・サラザン)は我々が現体制で初参戦した2012年のル・マンから居るドライバーひとりであり、ともに多くの経験と感情を共有してきました。彼の経験と判断力は私たちのプロジェクトを大いに助け、チームの技術の発展に貢献しました」と語るのはTMGトヨタ・モータースポーツGmbH社長兼チーム代表の村田久武氏。
「我々は心からステファンに感謝し、彼の次のステップでの成功を願っています。また、今シーズンはステファンとライバルとして対峙することになりますが、耐久レースファンにとって魅力的なレースになることを期待するとともに彼とのバトルを楽しみにしています」
一方、新たにサラザンを迎えるSMPレーシングのボリス・ローテンベルグ代表は「ステファンが我々のチームに加入することを歓迎すると同時に私自身、大変うれしく思っている」とコメント。
「トヨタでチャンピオンシップの最高峰を戦ってきたステファンの経験が、ロシア初のLMP1マシン『BRエンジニアリングBR1』のシリーズデビューに役立つはずだ」
昨年から複数回にわたって新車のテストを行っているSMPレーシングは、すでにビタリー・ペトロフ、ミカエル・アレシンをドライバーラインアップの一部として発表しており、サラザンの加入によって6人中3人が確定した。
チームでは残る3名のドライバーとその組み合わせについて、後日正式発表を行なう予定だ。