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F1の減収でチームへの分配金が約50億円カットに

2018年03月06日 11:21  AUTOSPORT web

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2017年F1第16戦日本GP決勝スタート
2017年にF1が稼ぎ出した利益は、前年と比べて減少し、10チームに分配される賞金の額も減らされたことが明らかになった。

 フォーミュラ・ワン・グループ(FOG)が公開した2017会計年度の通期決算報告書によると、総売り上げは前年の17億9600万ドルから1200万ドル減の17億8400万ドル(約1896億3900万円)だった(3月6日現在の為替レートは1ドル=106円)。

 売り上げが落ちた主な理由としては、レース数が2016年と比べて1戦少ない全20戦だったこと、ブラジルGPの開催権料を値下げしたこと、選手権のパートナーだったUBSとアリアンツが撤退し、スポンサー収入が減ったことがあげられている。

 また、ロンドンの新しいオフィスへの引っ越しと大幅な人員増により、リバティ・メディアの社費が増加したことも、利益を圧迫する一因となった。

 チームへの分配金は、前年の9億6600万ドルから9億1900万ドル(約976億8900万円)に下がり、金額では4700万ドル(約49億9610万円)、前年比率では5%減少した。

「F1の開催コストの上昇は、基本的にはファンサービスへの支出、超高解像度での撮影、輸送費の高騰によるもので、これらをチームへの支払いの減額で相殺できなかった」と、リバティ・メディアは決算書で述べている。

「販売費、一般費、管理費も、2017年の第4四半期と通年の両方で増加した。主な理由は社員数の増加と、新社屋への移転である」

 F1に継続的に投資するというリバティ・メディアの戦略の成果には、チームサイドも高い関心を寄せている。昨年度の減収を受けて、チェイス・キャリーCEOは、2018年には「バランスシートの改善と、長期的なキャッシュフローの最大化」を達成したいと語った。

「やっとロンドンの新しい本社に落ち着くことができた。現在の社員数は約120人だが、2018年半ばから年末までに、約150人まで増やしたいと考えている」

「系列会社も含めて、徐々に規模を拡大してきたことより、諸経費は2016年と比べて年間5000万ドルほど増えている。主として新しい取り組みに関連したマーケティングや開発の費用は、これには含まれていない」

「1年前には、40億ドルを超える対外債務があったが、現在では32億ドルに圧縮された。これにより、利子負担は年間でおよそ1億1500万ドル軽減され、税負担も改善されている」

「また、以前のF1のオーナーによる株式売却に先立って、株式オーバーハングの可能性も解消できた」

 F1の将来に関して、キャリーは新経営陣が売り上げと収入を増加させるビジョンを構築しているとして、従来のポジティブな見方を繰り返した。

「既存のパートナー企業が、私たちとの関係の拡大を歓迎し、また新たな商業スポンサーからの関心も高いことには、良い意味で驚かされた」

「新しいスポンサー候補、プロモーター、動画配信会社などが、F1に対して示す熱意は本物だ」

「そうした熱意の多くは、これから時間をかけて正しい方向へ育っていくだろう。そして、私たちのプライオリティも、目先の現金ではなく長期的な価値を生み出すことにある」