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V6『Vの炎』、嵐『ピカンチ』、関ジャニ∞ 『エイトレンジャー』……“全員主演作”の魅力に迫る

2018年03月06日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 Kis-My-Ft2の横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永による派生ユニット・舞祭組が、4月スタートの連ドラ『◯◯な人の末路』(日本テレビ系)の主演を務めることが発表された。2014年に放送された『平成舞祭組男』(日本テレビ系)以来、4人揃っての連ドラ出演とあり、期待も高まる。ジャニーズの歴史を振り返ってみると、舞祭組のようにグループ全員が主演を務めたというドラマ・映画は少なくない。“全員主演作品”のどのような部分が人気に繋がっているのだろうか。例を挙げながら考えてみたい。


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■V6 『Vの炎』(フジテレビ系)
 1995年に放送された『Vの炎』は、V6の活動がスタートするきっかけとなったようなドラマだ。デビューシングル『MUSIC FOR THE PEOPLE』の発売に合わせて放送されており、『バレーボールワールドカップ』のイメージキャラクターを務めたV6の名前をお茶の間に広めた作品と言ってもいいだろう。『Vの炎』は廃部寸前のバレー部に訪れる紆余曲折が描かれているが、とにかくV6メンバー全員が初々しい。20th Centuryの坂本昌行、長野博、井ノ原快彦はともかく、Coming Centuryの森田剛、三宅健、岡田准一は初々しさがことさらに目立つ。中でも、今や押しも押されもせぬ人気俳優の一人である岡田は、芸能界に入ってまだほんの数カ月の頃。現在の堂々とした演技との違いに、作品を見直すと驚く人も多いだろう。自身の演技に笑ってしまっているシーンもあるほどだ。そして、ストーリーもかなり型破り。ありえない設定がいくつもあり、ツッコミどころ満載だ。しかし、この微笑ましい雰囲気がV6らしいとも言える。まるで、楽屋を垣間見ているような気分になれるのである。


■嵐 『ピカンチ』シリーズ
 『ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY』、『ピカ★★ンチ LIFE IS HARD だから HAPPY』、『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARD たぶん HAPPY』と3作品が発表されている『ピカンチ』シリーズは、嵐5人が主演を務める映画である。通常の映画館ではなく、TOKYO DOME CITY HALLやシアターBRAVA!などのホールで上映するという公開方法だったが、すぐさまチケットは完売。大人気の作品だ。『ピカンチ』シリーズは団地で暮らす、嵐メンバー扮する高校生たちの青春群像劇で、それぞれの普段のイメージとは違うキャラクターを演じているのが印象的だ。例えば、“櫻井翔=優秀な青年役”というイメージが強いが、『ピカンチ』シリーズではゴリゴリのヤンキー役。さらに、クリーンなイメージの嵐らしからぬ下ネタも登場する。非日常的な嵐を楽しむという意味では、最高のバラエティ作品ではないだろうか。最終的には応援したくなる展開も、嵐だからこその味付けと言えよう。


■関ジャニ∞ 『エイトレンジャー』シリーズ
 メンバーがそれぞれ戦隊戦士に扮して、ピンチに立ち向かっていく映画『エイトレンジャー』シリーズ。そもそもは『Johnny’s web』の中で連載のブログ名として「関ジャニ戦隊∞レンジャー」が採用され、コンサート内コントとして演じられたのが始まりである。そして、2012年に満を持して映画化。だが、元コントという背景があるためか、悪に立ち向かう7人の姿が描かれれつつも思わずツッコミたくなる展開が多数。約2時間の壮大なコントを見ているかのようだ。だが、笑って終わりではない。ホロリとくるシーンもあったり、視点(正義の味方か、悪の組織か)によって変わる物事の見え方について考えさせられたり……。笑って泣ける、まるで関ジャニ∞そのもののようである。


 こうしてグループ全員が主演を務める作品を振り返ってみると、面白さの中にもグループの特徴がはっきりと表れているケースが多いことが分かる。舞祭組主演の『◯◯な人の末路』でも、一生懸命でカッコイイ舞祭組らしさが見られるのだろうか。舞祭組の魅力が充分に伝わる作品になることを期待したい。(高橋梓)