トップへ

会社説明会、「性別フィルター」で女子だけ満席表示 「男女同数でも説明会に人数制限を設けるのは問題」と労働局

2018年03月05日 16:41  キャリコネニュース

キャリコネニュース

写真

就職活動が解禁になり、今年も「性別フィルター」が話題になっている。「Fランクに近い大学生」で女性だというツイッターユーザーが3月2日、ある企業の説明会がすでに満席だったが、同じ大学・同じ学部の男性は同時刻でも申込みができたと告発した。

この女子学生は、有名私立大学であれば、女性でも申込みできることを確認したという。性別フィルターと学歴フィルターが両方働いているのではないかと疑っているようだ。

告発された企業は「キャンセルが出るタイミングによって表示が変わったのでは」と弁明

キャリコネニュースがこの企業に聞いたところ、「特定の学校や性別でフィルターを掛けるということはしていない。キャンセルが出るタイミングによって、満席や受付中の表示が変わったのではないか」と話していた。

今回、告発された企業は「性別フィルター」の存在を否定していたが、就活解禁以降、同様のツイートが散見されるようになった。3月1日には、「Fランに近い」大学の学生だという女性が、「同じ大学の男子は受付中になったのに女子の私は満席で表示される」と投稿している。

しかし、「性別フィルター」は男女雇用機会均等法に抵触しないのか。東京労働局の雇用環境・均等部の担当者は次のように語る。

「大原則として、募集・採用・選考の基準等において、性別によって取り扱いを変えることは法律違反となります。そのため、同じ大学の男子と女子で説明会に参加できるかどうか差を設けるのは原則として違法です」

会社のPRしか行わず、採用についても触れないのであれば、その説明会は「採用活動」ではなく、「広報活動」だとされ、法律違反に問われないこともある。しかし求める人物像や選考のフローについて説明しているのであれば、「採用活動」に分類されるため、男女で扱いを変えれば法律違反になる。

「おかしいと思うことがあれば、労働局に情報提供してほしい」

また説明会で男女ごとに人数制限を設けることは、たとえ男女同数であっても問題だという。

「たとえ同数でも人数制限を設けると、女性の応募が多い場合に女性が不利になります。逆に女性の応募が少ないと女性が有利になります。応募者の数によって、男女で倍率が変わってしまうため、原則として違法になります」

ただし、例外がないわけではない。例えば、20キログラム以上の重量物を継続して取り扱う業務に女性が就業することは労基法で禁じられているため、男性のみの採用となる。また、男女の格差を解消する目的で女性を優遇する場合(ポジティブ・アクション)も例外として扱われる。

しかしこうした限られた例外を除いて、男女で扱いが異なれば違法だ。前出の担当者は、

「おかしいと思うことがあれば、労働局に情報提供してほしい。企業に事情を聞いたり、場合によっては指導を行うといった対応を取ることができる」

と呼びかけていた。

東京労働局雇用環境・均等部
指導課 雇用均等・両立支援担当
Tel:03-3512-1611