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DTM公式テスト:3メーカーの新型マシンが揃い踏み。メルセデスはクラッシュで走行中止

2018年03月05日 13:02  AUTOSPORT web

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コース脇に雪が残るバレルンガでのテストに臨むメルセデスAMG C63 DTM
メルセデスの今季限りでの撤退に際し、アウディ、メルセデスAMG、BMWによる三つ巴の戦いのラストイヤーとなる2018年シーズン最初の公式テストが3月1~3日、イタリアのバレルンガ・サーキットで行われ、3メーカーの新型マシンが初めて一堂に会した。

 今季のDTMはコース上でより多くのバトルが発生させることを目指し、2017年型マシンから約33%減となるエアロダイナミクスの制限ならびに加減速時のピッチングを抑制するサードエレメントの使用禁止といった新たな車両レギュレーションを採用。

 この規定を基に開発された2018年型M4 DTMをテスト直前に公開したBMWと同様に、アウディRS5 DTMを走らせるアウディ、メルセデスAMG C63 DTMで有終の美を狙うメルセデスも今回のテストに新型マシンを持ち込んだことで今回のテストでは3メーカーの2018年型マシンが初めて顔をあわせることとなった。

 F1のプレシーズンテストが行われたスペイン・カタルーニャにも積雪をもたらしたヨーロッパを襲う強い寒波の影響を受け、コース脇に雪が残るなかで行われたDTM公式テスト1回目の初日。

 厳しい寒さのなかではあったが、3日間のうち唯一ドライ路面となったこの日は各メーカーとも精力的に走行を重ねていき、メルセデスではゲイリー・パフェがC63 DTMのステアリングを握って計119周をラップした。

 前年3冠達成したアウディは、ベテランのジェイミー・グリーンが1日目と雨天となった2日目の走行を担当し、同じく雨に見舞われた金曜の3日目は2017年王者のレネ・ラストにマシンが引き継がれた。また、アウディはルーキーのロビン・フラインスにも短い時間ではあるが2度の走行機会を与えている。

 3メーカー中もっとも早くマシンを公開したBMWは、発表時のアナウンスどおり2度のチャンピオン経験者、マルコ・ウィットマンが3日間に渡ってMカラーが施されたM4 DTMをドライブ。

 ウィットマンは新型マシンの印象について「ダウンフォースが大幅に削減されているが、クルマのバランスは良好」とコメントした。

 また3日間で200周以上、900kmを走破したというアウディのアンドレアス・ルースDTMプロジェクトリーダーも「初日の寒さと二日目以降の雨に悩まされたが、テスト内容には満足している。新しいエアロでのセッティングを助けるよいデータを採ることができた」と語った。

 一方、メルセデスは2日目にパフェからステアリングを引き継いだルーカス・アウアーがクラッシュ。わずか14周で同日のテストを終えることとなってしまった。

「ふたたびDTMマシンに乗るには今日は寒すぎたようだ」とアウアー。

「僕のミスによってクルマを壊してしまったことで残念ながら走行時間は非常に少なくなってしまった。チームと(僕のあとに乗る予定だった)パスカル・ウェーレインには本当に申し訳なく思っている」

 3日目も走行ができず、当初予定したプランの半分ほどの走行に留まったメルセデス陣営のウルリッヒ・フリッツ代表は「難しい気象条件にもかかわらず、我々はルーカスのアクシデントまでは予定どおりテストプログラムを進めることができた」と語った。

「残念ながらライバルと比較して走行機会を欠いてしまったほか、パスカル(・ウェーレイン)のDTM復帰ドライブも次回のホッケンハイムテストに先延ばしすることとなってしまったが、物事には順序がある。そう、卵を割ることなくオムレツを作れないようにね」

 DTM次回の公式テストはドイツ・ホッケンハイムを舞台に4月9~12日に実施予定。開幕戦ホッケンハイムはそこから3週間後の5月2~4日に開催される。