再舗装されたカタロニア・サーキットの新しい路面は、どうやらルイス・ハミルトンのお気に召さなかったようだ。
先週行われた第1回のテストでは、荒れ模様のコンディションのため、ハミルトンがコースに出た時間は当初の予定よりもはるかに短かった。それでもなお、彼は第1週の最速タイムを記録している。
気温も路面温度も低く、しかもミディアムタイヤを履いていたにもかかわらず、ハミルトンのベストタイムは1分19秒333だった。彼の2017年スペインGPのポールポジションタイム(1分19秒149)と比べて、その差はコンマ2秒以下でしかない。
しかし、ハミルトンは、その間に再舗装が行われていることを考えれば、タイムの直接的な比較に意味はないと指摘した。
「率直に言えば、このコースは以前より楽に走れるようになった」と、彼は木曜日に報道陣に語っている。
「過去10年間、このサーキットでドライブしてきたけど、今日が一番楽だった」
さらに彼は、サーキットは路面が古くなってバンピーになるほど、ドライビングは「より難しく、トリッキーになる」と付け加えた。
「路面に関する限り、もう少し年季が入っているコースの方が好きだよ。コーナリング中にもクルマが揺さぶられたりするから、それに瞬時に対応しながらドライブする必要がある。僕はそういうチャレンジが好きなんだ」
ハミルトンによれば、なぜ仲間のドライバーたちがレース前のミーティングで、絶えず路面のバンプに文句を言うのか、その理由が分からないという。
「そこにサーキットの個性みたいなものがある。路面を真っ平らにしてしまったら、いくつコーナーがあろうと、どこか物足りない感じになるだろう」
「バンプがあったら、そこを避けて走れればいいし、少しラインをずらしてブレーキングすればいいことだ。そう考えないと、乗り心地優先でクルマをセットアップしなければならなくなる」
「路面をスムーズにすれば、ドライビングは楽になる。バンプを全部なくしてしまうと、バルセロナに限らず、そのコースが持っている個性の多くが失われてしまう」
つまり、サーキットの所有者が、路面に「いい年齢の重ね方」をさせてくれるのが望ましいと、ハミルトンは言う。
「彼らがどうして(カタロニア・サーキットを)再舗装したのか、詳しい理由は知らない。だけど、一般論としては、再舗装に金を使うのは無駄だと思うよ」
さらに彼は、趣のある古い住宅を引き合いに出して、こう語った。
「真っさらな新築の家には個性がない。でも、古い家を買おうとしたことがある人なら知っているように、古い家には必ず歴史があり、時間をかけて育まれた個性があるんだ」