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賀来賢人、独自の路線でブレイクへ 『海月姫』カイ・フィッシュ役の魅力

2018年03月05日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 2018年ブレイク最右翼といっても過言でもない賀来賢人。彼が『太陽と海の教室』(フジテレビ系)以来、10年ぶりに月9枠である『海月姫』に出演。”シンデレラコメディー”と銘打たれている本作で、ミステリアスでクールなエリート実業家を演じ、話題を呼んでいる。


参考:【画像】『海月姫』第8話で月海(芳根京子)と急接近するカイ・フィッシュ(賀来賢人)


 賀来は2007年に俳優デビュー。2012年のドラマ『クローバー』(テレビ東京系)では主演を務めるなどキャリアを積み重ね、ドラマ『永遠の0』(テレビ東京系)、映画『ごくせんTHE MOVIE』など話題作にも出演を果たしてきた。


 アミューズに所属する賀来はこれまで、福山雅治や佐藤健、三浦春馬といった先輩、同世代の大きな影に隠れてきた印象だった。2枚目俳優を代表する彼らだが、賀来は独自の路線でブレイクを果たそうとしている。


 賀来を“イケメン俳優”という枠組みで捉えている視聴者も少なくないだろう。しかし彼の初舞台は『勇者ヨシヒコ』シリーズで知られる福田雄一演出の『スマートモテリーマン講座』。以来、ムロツヨシや佐藤二朗などと並ぶ“福田組”としての一面を持つ賀来は、コメディーでもトップクラスの実力を持つ”3枚目俳優”なのだ。


 現在放送中の『海月姫』(フジテレビ系)も芳根京子演じる倉下月海ら“尼~ず”のコミカルな演技が話題になっている。純愛路線という従来の“月9”の印象を覆すハチャメチャラブコメディーとして仕上がっている印象だ。そして、2月26日に放送された第7話から、世界規模でセレクトショップ展開している実業家カイ・フィッシュ役として出演した賀来。冷静沈着でクールなエリートを見事に演じていた。


 賀来の役どころは、月海がデザインしたクラゲ服を月海とともに買取り、世界一のデザイナーに育て上げようとする、そのためなら手段を選ばないというもの。落ち着いた佇まいで、「あの女の格好をしたやつは邪魔だ」と吐き捨てる姿は、「こういう社長キャラいるよな」と思わせてくれる完全な悪役だった。


 一方、“尼~ず”と初めて対面するシーンでは、まやや(内田理央)にハンガーラックで追突され、ばんばさん(松井玲奈)に「ただの暇人か。なら手伝え」とこき使われる。役が役なだけに『サラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)や『宇宙の仕事』(Amazonプライム)のような振り切った演技ではないものの、コメディーならではの間の取り方は抜群の安定感があり、安心して観ていられる。そして同時に「何かやらかしてくれないかな」という期待感まで持ってしまう。


 昨年は福田監督作品である『斉木楠雄のΨ難』に出演。そのコメディセンスをスクリーンで披露すると同時に、ドラマ『愛してたって、秘密はある』(日本テレビ系)ではサスペンス、池井戸潤原作『アキラとあきら』(WOWOW)ではヒューマンドラマに挑戦するなど、その振り幅が確実に認められてきている。


 そして今年は、3月17日公開の映画『ちはやふる -結び-』に歴代最強のかるた名人・周防久志役として出演が決定している。かるた以外は間の抜けた周防の役柄を賀来がどう演じるのか、期待が高まる。


 コミカルとシリアスを兼ね備えたハイブリッド俳優・賀来の魅力を最大限に引き出すことができるのが『海月姫』であり、カイ・フィッシュという役柄。最終回に向けて台風の目となりうるこの役の魅力も、賀来が存分に引き出してくれるだろう。


(馬場翔大)