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山田涼介演じる秀作が熱愛で朝帰り!? 『もみ消して冬』コメディから一転、感動の展開に視聴者涙

2018年03月04日 14:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 “痛快どコメディホームドラマ”と銘打たれている『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)は、その名の通り山田涼介をはじめとする役者たちのコミカルな演技と、テンポの良い掛け合いが評判を呼んでいる。第5話以降、視聴率は落ち込んでいるものの会話のキレはどんどん増しており、先週の第7話以降はメインキャラクターが勢揃いで、画的にも盛り上がりを見せた。


参考:狂った宇宙人から、ひたむきな少女まで! 『もみ消して冬』山田涼介が恋する恒松祐里に注目


 3月3日に放送された第8話では、秀作(山田涼介)と付き合うことになった池江里子(恒松祐里)が北沢家に招待される。泰蔵(中村梅雀)との食事を楽しんでいたところ、知晶(波瑠)が帰宅。博文(小澤征悦)も一緒に飲んでいた手毛綱美鎖夫(児嶋一哉)と尾関光希(小瀧望)を連れて帰ってきてしまう。


 またしても勢揃いしたもみ冬メンバー。酔っ払っている博文たちは、知晶に無理やりキスをした尾関の公開裁判、そして里子に秀作と付き合った敬意を聞き出すための公開裁判を始める。この裁判、秀作がツッコミ役となり博文が中心で周りがボケていく。さながらコントのような完成度で笑ってしまう。


 この会話劇を生み出しているのは、『プロポーズ大作戦』や『ハチミツとクローバー』、『最後の約束』(以上フジテレビ系)などのヒット作を多く手がけている脚本家・金子茂樹の力が大きい。博文の院内回診は、大人数を引き連れまんま『白い巨塔』(フジテレビ系)であり(副院長争いのライバルは善財という名前でありそこもパロディだろう)、泰蔵が殺人未遂に遭った第6話では秀作が「北沢家の名にかけて」と、山田がかつて『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)で演じた金田一一の「じっちゃんの名にかけて」の名言を言い放つ。


 こうしたパロディもさることながらネタのチョイスもギリギリのモノが多い。第1話で起こった事件は“泰蔵が経営している中学校の保護者と寝ていた”というもので、1話から振り切った方向性を見せつけた。第2話でも博文が自慢気に「俺も昔、ベッドに入るまで相手の性別に気がつかなったことがある」と暴露する。今週の第8話は里子の部屋を訪れるシーンから始まったのだが、部屋に入ると電気が消されており彼女はベッドの中。唇をすぼめる里子にジャケットを脱ぎ捨てた秀作は「キスするために生まれた女豹の顔だ」と男を見せるという衝撃の冒頭だった。


 そして朝帰りとなった秀作は家族に彼女がいることを明かし家へ招く展開になるのだが、里子が北沢家での食事を楽しむ最中、靴が行方不明になってしまう。秀作は犯人探しを始め、里子へ執拗に絡んでいた知晶を疑う。他人を巻き込んでまでの悪ふざけに秀作は激怒。「僕をずっと縛り付けてるのは姉さんだよ」と本気の姉弟喧嘩にまで発展してしまう。


 しかしこれは知晶発案による秀作と里子以外の全員が仕掛け人のドッキリだった。亡くなった母から知晶がもらったダンスシューズを里子のサイズに調整するために業者に渡しただけであり、その靴を受け取り家族愛を改めて感じた秀作は「もう勘弁してくれよ」と涙を流した。


 この予想外の展開に視聴者も「こんな家族羨ましい!」「家族愛に本当にほっこりする」と感動の声が多数。また、山田とラブラブな姿を見せた恒松の好演に、嫉妬すらする山田ファンも多く見受けられた。


 前半のパートがこれまでの放送回に比べコメディ要素が多く、笑いに徹していたのもこの山田の涙を引き立たせるための演出だろう。もはや最終回であってもおかしくないくらいの盛り上がりと感動をよんだ見事なシナリオだった。


(馬場翔大)