深田恭子主演の不妊治療を扱うドラマ「隣の家族は青く見える」(フジテレビ系)の3月1日放送の中で、深キョンが周囲の人たちに「どうしてそんなに子どもが欲しいの?」と問われる場面があった。
ごく自然に、当たり前のように「子どもが欲しい」と思っている人からすればそのような質問は愚問なのかもしれない。実際にそれを問われた深キョンも最初は「なんでだろうな。自分でもなんでこんなに子どもが欲しいのかわからない。ただ、子どもがいない未来は考えられなかったんだよね」と困った顔をしていた。(文:みゆくらけん)
ドラマでは「俺の子どもを産んでください」と言われるのがきっかけだけど……
しかし、筆者としては「なぜ子どもを欲しいと思うのか」という問いかけをする人の気持ちが物凄くわかる。結婚後、何年経っても出産欲が湧かない自分に戸惑っていた経緯があるからだ。現在は不妊治療で体外受精まで試み、来月には初移植をするような状況だが、本当に長い間、「なぜ子どもを欲しいと思うのか」を他人に問いかけ、「なぜ欲しいと思わないのか」を自分に問いかけていた。
ドラマの中の深キョンも改めて自分に問い、その日1日中考えていたようだ。結果「これという理由は見つからなかった」としながらも、夫(大ちゃん)と始めて会った時のことを話し出す。
深キョン演じる奈々にひとめ惚れした大ちゃんは、出会ったその場で開口一番に「俺の子どもを産んでください」と奈々に伝えた。普通に考えたら引いてしまうような展開だが、奈々にとっては「不思議と嫌な気がしなくて、むしろあたたかい気持ちになった」出来事だったという。そしてこう続ける。
「無意識だったけど、私の中ではあの時から始まっていたんだったと思う。大ちゃんと家族を作りたいって思う気持ちが」
これこそが奈々が子どもを欲する理由なのだ。「俺の子どもを産んでくれ」と言われて始まった恋愛。だからこそ、その言葉をしっかりと受け止めて応えたいという気持ちが強いのだろう。
マインドコントロールで「はじめてのおつかい」を見てもイラつかないように
出産欲ゼロだった筆者が高度不妊治療にトライすることになった理由も、突き詰めるとそれに近いものがある。夫は子どもを最初から望んでいたということが大きく、その相手と結婚したなら最大限努力はすべきだという考えに至ったからである。
産まないという選択もあるのかもしれないが、その場合最初から「結婚しても子どもは産まないです」と伝えておくのが筋だろう。いつまでたってもママモードにならない自分を見切り、自分の尻を自分で叩いて妊活を始めたというのが実情だ。そして途中で卵管に問題があることが判明し(卵管留水種)、手術を受けるか体外受精するかの2択となり体外受精に進んだ。
出産に前向きになって以降は、得意のマインドコントロール。ドラマ「コウノドリ」を見るタイミングには特に気を付けたし、子どものいる生活の楽しそうなところを考えてみたり……。結果、以前はムカついていた(ホントにゴメンナサイ)「はじめてのおつかい」を見てもムカつかなくなったり、赤ちゃんのムチムチの足に触れていたいと思ったりと、当初圧倒的に足りていなかった「母性」は少しずつだが膨らんでいっている気がする。
ドラマは来週の予告も話題になっている。奈々が病院の先生に「妊娠していますよ」と告げられるシーンが流れたからだ。大ちゃんが奈々のお腹を触り「大きくなあれ」という映像も出た。次の展開がとても楽しみだ。