トップへ

黒島結菜×高杉真宙が語る、同学年キャスト集まった『プリンシパル』の裏側 「小瀧さんに引っ張ってもらった」

2018年03月02日 18:12  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 いくえみ綾の人気コミック『プリンシパル』を黒島結菜と小瀧望(ジャニーズWEST)W主演で、の実写化した映画『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』が3月3日に公開される。『地下鉄(メトロ)に乗って』『花戦さ』の篠原哲雄がメガホンを取った本作は、東京の女子高でハブになり逃げるように札幌に引っ越した住友糸真が、転校先の高校で、校内イチの俺様系モテ男子・弦とゆるふわ系モテ男子・和央と出会い、女子の間で「弦と和央はみんなのもの」というルールがある中で、彼らと距離を縮めていく模様を描いたラブストーリーだ。


参考:高杉真宙、2018年の快進撃が始まった! 『賭ケグルイ』で見せた、コミカルな新境地


 リアルサウンド映画部では今回、糸真を演じた黒島と和央を演じた高杉にインタビューを行った。それぞれの役柄を演じるにあたって意識したことから、同年代のキャストが集まった撮影現場の様子やお互いの印象などについて語り合ってもらった。


■高杉「登場人物一人ひとりのキャラクターが深い」


ーー原作漫画は累計発行部数150万部を超える人気作品です。作品について、どのような印象を受けましたか?


黒島結菜(以下、黒島):今回のお話をいただいてから原作を読ませていただいたのですが、イケメンがいて、かわいい女の子がいて、その2人が恋をする……という王道なストーリーではなくて、もっとリアリティがある、実際にありそうな話だなと感じました。いいところだけではなくて嫉妬などの人間の黒い部分まで描かれていたので、一般的な少女漫画のイメージとは違う、人間味があって面白い作品だと思いました。


高杉真宙(以下、高杉):僕は普段から少女漫画を読む方なのですが、『プリンシパル』は登場人物一人ひとりに渦巻いている感情自体が濃いなと感じました。いろいろな恋愛があって、しかも登場人物がそれぞれの悩みを抱えているので、わりとヒューマンドラマに近いなと。少女漫画ですけれど、男でもすごく面白く読める作品でした。自分が演じる和央の感情を読み取るだけでも、何度も原作を読み返すしかないぐらい難しい。それほど登場人物一人ひとりのキャラクターが深いなと思いました。


ーー予告編では、映画本編の映像と原作のカットが織り交ぜられて展開していましたが、それぞれの役柄を演じるにあたって、原作はどの程度意識したのでしょうか。


黒島:最も意識したのはなるべく原作のイメージを壊さないようにすることでした。原作の糸真は小動物っぽいところがあったので、身ぶりや手ぶりなどコミカルな動きをなるべく多くすれば、原作の糸真に近づけるのではないかと。だからなるべく女の子っぽくしすぎないようには注意しました。展開が早かったり多少のズレが生じたり、原作ものを映画化する際にはどうしても違いは生まれてしまうものなので、原作で描かれている糸真の気持ちの変化やつながりを丁寧に伝えられるように役を作っていきました。


ーー役作りについては、事前に篠原監督とも入念な話し合いを行ったそうですね。


黒島:そうですね、監督とはたくさんお話しをしました。あと、現場には実際に高校生の女の子がたくさんいたので、その世代の女の子の気持ちを聞きながら、みんなで作っていった部分もあります。


高杉:僕も原作はガッツリ意識しました。自分自身が演じる役はどれも好きになるし、愛を持って演じたいなと思うんですけれど、今回の和央というキャラクターは、原作漫画を読んでいて単純に一ファンとして好きになったんです。だからこそ全てを理解した上でセリフを言いたいと思いましたし、「このときの感情はこうだからこういう気持ちになっていく」ということを代弁できるように、できるだけ和央を、人としてその場で生かしていけたらなと考えました。


ーー黒島さん演じる糸真は、東京の女子高でハブられて札幌の高校に転校するも、クラスの人気者の2人の男子との関係によって、またハブの対象になってしまうという役柄です。自身の高校生活を振り返って、このような光景は見たことはありましたか?


高杉:なかなかないですよね?


黒島:いやぁ、ないですね。


ーークラスに超人気の男子がいたりとか。もしかしたらそれが高杉さんだったかもしれないですけれど。


高杉:いやー、僕はそんな人物ではなかったですね(笑)。でも、何でもできてモテる男の子はいましたよ。僕はそういう人とは程遠い、友人Cとかでしたから。その人の友人ですらなかったですけれど(笑)。


黒島:(笑)。でも、別世界な話だけど、実際にあってもおかしくない、ギリギリのラインですよね。だからこそ親近感を持てた気がします。実際にあったとしても私は関わらずに遠くから見ていると思いますが(笑)。


■黒島「同学年だからこそ、どう接していいかわからないところがあった」


ーー今回2人は初共演ですよね。しかも弦を演じた小瀧さんを含めて皆さん同学年という。


高杉:そうなんですよ。なかなかない経験で。


黒島:本当に珍しいです。私は初めてでした。


高杉:川栄さんも歳は近いですし、4人中3人が同学年というのは本当に珍しくて。


黒島:でも逆に、同学年だからこそ、どう接していいかわからないところがあって(笑)。年上の方だと、話しかけていただいたりきっかけを作っていただくことが多いですし、年下の方だったら、こっちからちょっと頑張ってみようかなと思うんです。でも、同学年ってどうしたらいいんだろう……と思って。我々は何もできず、小瀧さんに結構任せてしまって(笑)。


ーー小瀧さんがみんなを引っ張って行く感じだったんですか?


黒島:そうですね。最初はお互い探り探りだったんですけど、一番「頑張ろう!」というきっかけ作りをしてくれそうな雰囲気を小瀧さんから何となく感じていたので。


高杉:彼に任せてしまいました(笑)。


黒島:遊ぶためのカードゲームを買ってきてくれたり、現場が寒かったのでスリッパを買ってきてくれたり、小瀧さんがきっかけ作りを一番してくれましたね。


■黒島「未だに高杉さんのことがわからない」


ーー高杉さんと黒島さん、お互いの印象はどうでしたか?


高杉:黒島さんは最初、出演作を観たり雑誌を読んだりしていたイメージで、わりと静かな方なのかなと思っていたんです。お互い人見知りなので、最初に現場に入ったときはイメージ通りだなと思っていたんですけれど、実際に話してみると、イエス/ノーがすごくハッキリしていて、それが素敵だなと思いました。


黒島:私は高杉さんのことを役によってすごくイメージが変わる方だと思っていて。ハードな役柄を演じられることもありますし、今回は全くの真逆で。だから私は未だに高杉さんのことがわからないです。いろいろな人格がありそうというか(笑)。


高杉:それは恐いですね(笑)。


黒島:本当にいろいろな顔を持っている方だなと。でもこの映画では和央なので、現場でもずっと和央でした。さりげない気遣いが本当にすごくて、和央じゃないところを見たことがないぐらいだったんです。今も取材で椅子に座るときに、私の分まで椅子を引いてくれていて。


高杉:いやいやいや(笑)。


黒島:やっぱりすごいなって(笑)。尊敬しています。


高杉:ありがとうございます。


ーー作品の中では、糸真が弦と和央の間で揺れ動く模様も描かれますが、黒島さん自身は弦と和央、どちらがタイプですか?


黒島:うーん……。どっちも好きなんですよ。ただ、接し方が変わるというか。


ーーどういうことでしょう?


黒島:和央は見ていたいタイプなんです。憧れ的な存在で、好きだけど、好きというのが申し訳ないからただ見ているというか。憧れから好きという気持ちをどう伝えていいかわからないから、発展はしなさそうな気がするんです。逆に、弦は友達感覚から好きに発展しそうな存在。何でも言いやすいし、何かを言われても大して傷つきもしなさそうなラフな関係性で、ラクにいられそうだと思うんです。それぞれいいところがあるので、どちらかは選べないですね(笑)。


ーーなるほど。高杉さんは糸真みたいな女の子はどうですか?


高杉:僕は糸真と弦の関係性を見ていて、言い合う感じがすごく羨ましいと感じていました。糸真はすごく喋りやすそうで、いい女の子だなと思います。


ーーそんな糸真は「主役になりたい」という強い気持ちを持った女の子ですが、2人は「主役になりたい」と思うことはありますか?


高杉:僕は主役と言えるほど大層な性格ではないので……(笑)。役者としては自分が面白いと思える役柄であれば何でもやっていきたいと思っているので、「主役になりたい!」という気持ちはあまりないですね。粛々といろいろな役柄を演じさせていただければいいなと思っています。


黒島:私もそういう強い気持ちはまだ持っていないです。主役もやらせていただいていますけど、まだキャパオーバーなところもあって、申し訳ない気持ちもあるんです。もう少し自分に自信を持てるようになって、余裕ができるようになれば、糸真のように「主役になりたい!」という気持ちを強く持っていければいいなと思います。(宮川翔)