メルセデスAMGのカスタマーレーシング部門を率いるステファン・ウェンドルは2018年に本格的な実戦デビューを果たすメルセデスAMG GT4に注文が相次いでいることを明かし、「GT4のコンセプトは正しいものだ」と語った。
ジェントルマンドライバーやカスタマー向け車両としては、GT3カテゴリーが主流だが、このGT3は近年、費用の高騰化やバトルのハイレベル化が続いており、ジェントルマン主体のカテゴリーではなくなりつつある。
そこでGT3を立ち上げたSROモータースポーツが新たな受け皿として立ち上げたのがGT4だ。現在、このGT4はヨーロッパやアジアを中心に人気が高まっており、BMWやアウディ、ポルシェなど、さまざまなメーカーがマシンを投入している。
メルセデスが投じるAMG GT4も、そんなGT4に投じられる1台。2016年12月にリリースの発表が行われ、2017年8月のVLNニュルブルクリンク耐久シリーズで実戦デビュー。同年末からデリバリーが開始された。
ウェンデルはAMG GT4が多くの注文を受けていることを明かした上で、「まずはシーズンオフの期間に、すべてのカスタマーにAMG GT4をデリバリーすることを念頭に置いている」と語った。
「マシンはさまざまなカテゴリーに参戦可能で、各シリーズにあわせたオプションも複数取り揃えている。そして我々のカスタマーは世界中に存在しているから、このミッションは簡単なものではないんだ」
「需要が拡大し続けていることを受け、冬の間にスペアパーツとエンジニアリングサポートのネットワークをアメリカとオーストラリアに拡大した。また、アメリカとアジアでは、サーキットにエンジニアを派遣し、スペアパーツを提供する用意も整える」
「AMG GT4に多くの注文が集まるということは、(GT4を立ち上げた)SROモータースポーツグループのコンセプトが正しいことの表れであり、我々の開発部隊が注いできた情熱が報われていることになる」
「ポールリカールで行われるオフィシャルBoPテストが最後のホモロゲーションになる。これを通過したら、我々のGT4マシンは世界中のレースで戦いに身を投じることになる」
GT4はピレリ・スーパー耐久に専用クラスが設けられているほか、ブランパンGTシリーズ・アジアにも参戦可能で、先日にはBMW Team StudieがブランパンGTアジアに投じるBMW M4 GT4をシェイクダウンしたばかり。
メルセデスが手がけるGT3、メルセデスAMG GT3はスーパーGTなどで高い人気を誇っているだけに、このAMG GT4も日本のレースシーンに登場する可能性は高そうだ。