ワコールは3月2日、「10歳キラキラ白書 2018年版」の結果を発表した。同調査は、2016年から実施。3回目の今回は昨年9~12月に実施し、同社運営の小中学生向けの下着の悩み解決サイト「ガールズばでなび」利用者の3299人から回答を得た。そのうち10歳の321人の回答をまとめた。
イマドキ10歳は、44%が「化粧をする」と回答している。また「恋してる」過去最高で79%となり、理想の彼氏は「優しい」がダントツ。結婚するなら「25歳」が最多で、平均年齢は23.5歳と比較的早婚を希望しているようだ。
化粧をする程度、恋愛の有無など得点化して"おませ度"を算出すると、10歳は平均値6.30点。この数値は9~16歳以上の中でもっと高くなっている。
年齢が上昇するほど「人との関わり」への積極性も低下
自己肯定感を測る項目群の回答から平均値を算出すると、10歳は2.87点。他の年齢群の中でも最も高い数値となった。また、恥ずかしがらずに積極的に人と関わろうとする「人との関わりが好き」度は9歳(3.09点)に続き、2位は10歳(2.98点)となった。
しかし「自己肯定感」と「人との関わり」への積極性は、年齢が上昇するほど下がる傾向がある。大人になるにつれ自己嫌悪感が強くなって人と関わりが苦手になり、10歳の"キラキラ度"は低下するようだ。
これについて目白大学の小野寺敦子教授(発達心理学)はリリースで「自分の良い点と悪い点について自覚するようになるのはちょうど10歳ぐらいから」とコメントしている。10歳以降は「悪い点は直さなければ」「今の自分ではダメ」という意識が強くなるという。
ではなぜ10歳以降、自己肯定感や人と関わることがイヤになるのだろう。小野寺教授は理由として、「日本の親や先生は、子どもの良い点を褒めるよりも悪い点を指摘する場合が多いのでは」と指摘する。
なお2014年版子ども・若者調査によると、アメリカ、イギリス、韓国など諸外国7か国の中で、日本の子どもの自己肯定感が最も低い。
自己肯定感を高く保つには「家族同士が仲良く、様々な年代の人と関わること」
「自己肯定感」と、「下着やからだの成長に関する母への相談の程度」「ファッションへの関心」などとの関係性を見ると、自己肯定感の高い女子ほど「母親に下着やからだのことについて相談する」「ファッションへの関心が高い」「人との関わりに積極的」「母親に対して『もっと一緒に過ごしたい』と感じる」という特徴がある。
自己肯定感は母親とのコミュニケーションと密生津に関連しているが、母親の就業状態で変化はない。フルタイムの母親を持つ子どもの自己肯定感得点は20.7点。パートタイム勤務では19.6点、専業主婦では20.1点なっている。子どもと接する時間の長短より、コミュニケーションの質が大切のようだ。
同社は「自己肯定感が高い人は、大人になってからも自信をもって仕事に取り組み、家庭生活を前向きに送っていると考えられる」として、子どもの頃から高めていく必要があるとしている。同社は、子どもの自己肯定感の高さを維持するため、
「家族同士が信頼して仲良くできるように努力すること、同年代の友達だけではなく高齢者を含む様々な年齢の人たちと関わる機会をもつことが大切です」
とコメントしている。