裁量労働制の拡大が働き方改革関連法案から切り離されることになったことを受け、立憲民主党の枝野幸男代表は3月1日の定例会見で、
「地道な国会での野党各党の質疑を通して、裁量労働制の問題点が明らかになり、国民の皆さんにも声を上げていただいた。その成果として、裁量労働制については、事実上、今国会では断念することになった」
と評価した。
「労働時間の上限規制や同一価値労働同一賃金といった部分については進めていくべき」
しかし、労働時間に関する誤った調査に基づいて議論が進められてきたことの問題はまだ残っているという。
「そもそもいい加減なデータに基づいて議論が進められていたという瑕疵が補われたわけではありません。また、裁量労働制のような働き方の方が労働時間が短くなるという誤ったデータに基づく議論は、高度プロフェッショナル制度についても行われてきました。裁量労働制と同じ問題が高度プロフェッショナル制度にもあります。これについても、今国会を断念して、法案から切り離して、労働時間に関するきちっとした調査を踏まえて、議論をやり直すべきである」
働き方改革関連法案には、単月100時間未満という残業の上限規制も盛り込まれている。この点について、「残業について法律で明確に規制するのは前進だと思う」と評価しながらも、
「ただし、100時間という数字が適切なのかどうか。これはいわゆる過労死ラインを超えています。(中略)できればより短い上限で法的規制を加えるという方向に向けて努力をしたい」
と述べた。今後、同法案については、
「高度プロフェッショナル制度も切り離すことを求めていく。労働時間の上限規制や同一価値労働同一賃金といった部分については進めていくべきだと思う」
と展望を語った。