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紙でできた環境にやさしい小型バッテリーがスペインで開発される

2018年03月01日 07:03  Techable

Techable

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スペインのバルセロナで2015年から開発がすすめられてきた「Fuelium」は、紙をベースとした、毒性のない安価で小型なバッテリー。

短時間、低電力を供給し、環境に負荷をかけずに廃棄できることから、体外診断用医薬品(IVD)など、使い捨て型電子機器に最適なバッテリーとして、注目されている。
・体外検査用医薬品に最適なエコバッテリー
尿検査や血液検査などで使われる体外診断用医薬品(IVD)には、従来、リチウムバッテリーが用いられており、充電されているエネルギーのわずか1%程度を消費しただけで廃棄されてきた。

一方、紙と炭素、毒性のない少量の金属で構成される「Fuelium」は、用途に合わせて、1ミリワットから100ミリワットまで必要な電力だけを生成。

水や尿、リンパ液、唾液など、あらゆる液体サンプルで作動するため、とりわけ、体外診断用医薬品(IVD)に適しているのが特徴だ。

また、有害廃棄物が発生しないので、複雑でコストのかかる回収を行う必要がなく、様々なデバイスに組み込みやすくて、製造コストを軽減できるのも利点だという。
・医療分野で市場拡大をはかる
「Fuelium」は、欧州連合(EU)の研究イノベーションプログラム「Horizon 2020」からの助成のもと、さらに成長を加速させ、産婦人科学や感染症学、獣医学などを中心に、幅広い分野で応用していきたい方針だ。(文 松岡由希子)

Fuelium