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【津川哲夫のF1新車チェック】結果を求めるには時期尚早のSTR13。ホンダPU換装の妥協型だが楽しみは多い

2018年02月27日 12:52  AUTOSPORT web

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トロロッソSTR13
トロロッソのテクニカルディレクター、ジェームス・キーが良いことを言った。「初めてワークスと一緒に仕事をするが、ワークスと仕事をするにはお互いにそれぞれの立場でお互いを向上させる責任がある」と。

その責任の元に登場したトロロッソの新車、STR13は昨年型のホンダ換装用と言っても過言ではないマシン。とは言えもちろん、今シーズン向けの開発がところどころに施されている。

 昨年型にあったスリーク(なめらかでスマート)でタイトなボディラインは、STR13でさらにタイトに締め込まれた。サイドポッドから後方の細さは業界随一。加えて、シャークフィンの削減とTウイングとモンキーシートの消滅が、STR13の後方をすっきりと見せている。

 フロアエッジの前部では大きくスリットが開き、アッパーフロアからの空気流を床下に引き込んで渦流を造る。この渦流とリヤタイヤ前のスリットが床下エアロの制御の要。フロアフロントのガジェットで、サイドポッドと床下に送られた空気流の制御を行うのだ。

 フロントノーズで面白いのは、昨年のスリムな小指型ノーズが親指型のトレンディな形になったことだが、それでも昨年型のノーズの上にワイドマウントを貼り付けたような造形をしていて、なかなかスマート。後方に伸ばされたウイングマウントには、内側に向けて3カ所にスリットが刻まれている。

 STR13は短時間(昨年の9月から)で造られたため、現時点ではあくまでも今季のレギュレーション対策とホンダPU(パワーユニット)への換装を軸に開発された、とりあえずの妥協型とキーは言う。もちろん、時間がないなかでこれは仕方ない。それでもホンダのコンパクトなPUは車体を造る上で大幅に自由度が増えたともキーは付け加える。そして、「すでに来期に向けての検討を始めている、もちろんホンダと一緒に、お互いが向上できるように」とも最後に述べた。

 今シーズンのトロロッソ・ホンダ、まだまだ優勝などを期待するには先が長いが、チームとして向上し、トロロッソとホンダが共に育って行くのを見るのことが、まずは今シーズン一番の楽しみかもしれない。