2月9日に開幕した平昌オリンピック。羽生結弦、宇野昌磨が金メダル、銀メダル獲得を獲得したフィギュアスケートをはじめ、様々な競技で熱戦が繰り広げられた同大会もいよいよ2月25日に幕を閉じる。
開会式は「平和」をテーマに展開され、人の顔をした白い大きな鳥の人形が話題を集めたほか、4人の歌手が歌ったジョン・レノンの“Imagine”も心に残るシーンとなった。
平昌オリンピックの閉会式は2月25日19:30からNHK総合、その後20:00からNHK Eテレで生中継される。閉会式は出場選手たちをねぎらうと共に、次のオリンピックの開催地にバトンを渡す意味合いを持つ。演出の詳細は明かされていないが、その見どころを探ってみたい。
■テーマは「Next Wave」 K-POP界からEXOとCLが登場
閉会式のテーマは「Next Wave」。
開会式と同様に、ミュージカル『NANTA』のプロデュースで知られるソン・スンファンが総合監督を務め、2008年に鄭義信と舞台『焼肉ドラゴン』の共同演出を手掛けたヤン・ジョンウンが総合演出、『暁のヨナ』『レベルE』といったアニメの音楽も手掛ける梁邦彦が音楽監督を任されている。
開会式では選手の入場時にPSYやBIGBANG、防弾少年団(BTS)、TWICE、Red VelvetなどのK-POPの楽曲が流れたことでも話題を呼んだが、閉会式にはK-POP界を代表してEXOとCLが出演する。
聯合ニュースの報道によれば、閉会式は「挑戦」「未来」の精神を表現する4つのパートで構成され、開会式で話題を呼んだインテルのドローンを使った光のショーも再び登場するほか、世界的に有名なDJが式のフィナーレでEDMのショーを行なうという(このDJはオランダのEDMプロデューサーであるマーティン・ギャリックスだと噂されているが正式な発表はない)。
■閉会式のアクトに起用されたボーイズグループEXOとは?
EXOは9人組のダンスボーカルグループ。
BoA、東方神起、SUPER JUNIOR、少女時代、SHINeeらを輩出したSMエンターテインメントに所属し、2012年に韓国と中国でデビューした。韓国国内でこれまでに数多くの音楽賞を受賞しているほか、アジアのみならずアメリカでもツアーを行なうなど、海外での人気も獲得している。
日本では2015年にデビュー。東京ドーム公演も成功させている。今年1月には日本での1stアルバム『COUNTDOWN』をリリースし、日本ツアー『EXO PLANET #4』も敢行。2月24日に京セラドーム大阪でツアーファイナルを迎えた。
EXOのメンバー・ベクヒョンは2月5日に開かれた国際オリンピック委員会総会開会式で国歌斉唱を務めた。また女子フィギュアスケートで銀メダルを獲得したロシアの18歳の選手エフゲニア・メドベージェワはかねてからEXOのファンを公言しており、自身のTwitterのプロフィールには「EXO-L(EXOのファンの愛称)」と記載しているほどだ。
閉会式を前にした会見では、前回韓国でオリンピックが行なわれた1988年のソウルオリンピックの時はメンバーが誰も生まれていなかった、と話したEXOのメンバー。閉会式のリハーサル映像ではヒット曲“Growl”をパフォーマンスする様子が捉えられていたが、K-POPファンだけなく世界中の注目が集まるこの大舞台でどんなパフォーマンスを用意しているのだろうか。
■ガールズグループ2NE1のリーダーだったラッパーのCL
EXOと並んで閉会式に登場するCLは、BIGBANGらを擁するYGエンターテインメントに所属するフィメールラッパー。4人組のガールズグループ2NE1のメンバーとして2009年にデビューし、10年近いキャリアを持つ。
2NE1としては2011年に日本デビュー。海外アーティスト史上3組目、韓国女性アーティストとしては初となるデビュー作でのオリコンウィークリーアルバムランキング1位を獲得したほか、7万人を動員する日本ツアーを成功させるなど日本でも高い人気を獲得。地上波のバラエティー番組にも登場した。
彼女たちは「ガールクラッシュ」と呼ばれる「女性が憧れる女性」を体現するような存在で、個性的なファッションや男性に媚びない力強い佇まいが女性ファンの心を掴んだ。マイクロソフトのSurface Pro 3に「私が一番イケてる」と歌う“I AM THE BEST”が起用されたことも記憶に新しい。
グループは惜しくも2016年に解散したが、その後もCLはソロ活動を続けており、ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデを手掛けたスクーター・ブラウンのマネジメントのもと全米に進出。同年に全米第1弾シングル“Lifted”を発表した。
閉会式に先立つ記者会見では「世界中の人が見る大きな舞台に立つことができてとても光栄」と話したCL。BLACK EYED PEASやデザイナーのジェレミー・スコットら欧米のセレブリティーとの交流でも知られる彼女が、母国を代表する舞台で見せるステージに注目が集まる。
■次回・北京冬季五輪への橋渡しはチャン・イーモウが演出
閉会式では、次なる開催地へのハンドオーバーセレモニーも重要な位置を占める。2022年の冬季オリンピックのホストシティーは中国の北京だ。
閉会式において、2022年の北京冬季オリンピックのプレゼンテーションパフォーマンスを演出するのは映画監督のチャン・イーモウ。『初恋のきた道』『HERO』などの作品で知られるチャン・イーモウは、2008年の北京オリンピックで開会式・閉会式の総監督を務めている。今回は「北京の8分」と題したショーを披露するという。
17日間の熱戦を締めくくる閉会式。EXOやCLのパフォーマンスを含めて全貌はベールに包まれているが、一体どんな演出が仕掛けられているのか。期待しながら当日を待とう。
平昌オリンピック閉会式は2月25日20:00から平昌オリンピックスタジアムで開催。日本での生中継は2月25日19:30からNHK総合でスタートし、20:00からNHK Eテレ、21:00から再びNHK総合で行なわれる予定だ。